読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

lib14's TRPG library

TRPGに関するメモや随想など

りゅうたま シナリオメイク

シナリオづくりシートの活用

 プリントオンデマンド版のサービス開始によって、永らく入手困難だった『りゅうたま』の紙ルールブックが手に入れやすくなりました。しかも価格はJIVE版よりも廉価です*1

 久々にJAVE版の「帯」を発見してみると、こんなことが書いてありました。

プレイヤーは「旅人」に、
ゲームマスターは「竜人」に
4つのGM用キャラクター種族&3つのシナリオづくりシートで
初心者GMも楽しくゲームに参加できます!

……思えば、シナリオづくりシートは、シナリオをつくるのに便利なツールで、ちょっと工夫すれば別のシステムでも応用できる優れた雛形なんですね。ルールブックp.116, 117に基本的な事が書かれているので、そこは読み終わっていることを前提にして、個人的な意見を書いていきたいと思います。

ガイドライン補足

  • ルールブックをざっと読む

 付箋を貼っておくべきページは、りゅうたまの心得が参考になる。

  • 仲間を集めてサンプルシナリオを遊ぶ

 仲間が集まりにくいとか、サンプルシナリオは遊び尽くされている*2とかで「サンプルシナリオを遊ぶ」ことがやりにくいと感じている人もいるはず。リプレイとか動画とかを見て、流れを把握してみるというのも手ですね。

  • やってみたいシナリオのネタを集める

 『りゅうたま』は特定の世界設定がないRPGと思われがちですが、旅するための特定のワールドマップが存在しないだけです。魔法、アイテム、モンスターなど、極めてユニークな世界設定があります。特にモンスターについては、p.117の「出現モンスターの強さの目安」を参考にしながら、作ろうとしているシナリオの対象としているPCのLVに合ったモンスターを選び、そいつの「解説」を読むことでシナリオのヒントになります。そのモンスターと戦う場合、PCたちは何故戦うのか、理由を考えます。モンスターが悪さをしているのなら「討伐シナリオ」になるでしょうし、そのモンスターから稀少な食品や薬品の材料が採取できるなら「探索シナリオ」になるでしょう。単に、旅の道中で襲われるだけなのかも知れません。

  • やりたいシチュエーションを聞く

 『りゅうたま』にはプレイヤーからのフィードバックを回収するためのルールがあります。「街づくり」では、GMも含めた参加者全員で街の設定について話し合います。「街づくり」は単に街を作って終わりではなく、冒険の舞台・物語の舞台を作ることに他なりません。ですからプレイヤーはなるべく自分のPCが活躍できるような舞台になるように仕向けた方がセッションが楽しくなるはずです。あるいは、他のPCやNPCに対する「こういう活躍をして欲しい」という願望を、街づくりを通して伝えることができます。つまり「街づくり」におけるプレイヤーの発言には潜在的にプレイヤーの要望が含まれているとみることができるのです。ただし、要望の全てを受け入れるのは難しいでしょう。「旅日誌」からもプレイヤーのニーズを読み解くことができます。好意的に書かれているシチュエーションは、だいたい、プレイヤーにとっても好みのシチュエーションであるはずです。

シナリオ構成シート

 慣れてくればシナリオ構成シートだけでセッションは回せます。シナリオ構成シートに少し工夫を加えて、メイン・イベントとサブ・イベントの間あたりにもう一本縦線を引いて、「地形+天候」という項目を作ります。こうすると、だいたいどの辺りでどの地形と天候がPCたちを襲うのかが分かるわけです。街で受けられるサービス〔天気予報〕などをPCが利用した場合でもすぐに参照できます。

シナリオ目的シート

 重要なのは「PCが~~したくなる動機・理由」という部分です。

イベントシート

 個々のイベントについてこだわって作りたい時に利用するシート。例えば全てのイベントについて書かなくても、「クライマックスのイベントだけ書く」とか「竜人と出会うシーンは本気で描写したい」といった感じで、肝心な部分だけ活用するのも手です。

*1:印刷の質はJIVE版と比べて落ちますが、ペーパーバックで紙が厚くないので、JIVE版よりもやや持ち運びに便利です。

*2:僕も4回ぐらい遊んでいますが、問題ありません。

プレイング

味方の支援を計算に入れるのを忘れたくない

管理漏れというリスク

 シナジーの多いスキル構成にして、能力は割り切れる値にして技能ボーナスを稼いで、このサプリとあのサプリのアイテムを組み合わせてダメージを上げて…………。
 必死にキャラメイクしたものの、実際のセッションの時にはスキルの使用を忘れたり、アイテムのボーナスを忘れたり、味方からの支援を計算に入れるのを忘れたりして、本来出せるはずのダメージ*1が叩き出せないという事態によく陥ります。私はそんなうっかり屋さんです*2
 スキル、アイテム、種族特性……こうしたデータをいっぱい組み合わせることでPCは強くなります。けれど、組み合わせる量が多くなるほどに、管理しきれなくなります。こうした管理漏れ格闘ゲームに喩えればコマンド入力ミスです。コンボが決まらないわけです。キャラクターのデータ複雑度が上がれば上がるほど、管理漏れのリスクは高まり、結果、理想通りのダメージが入りません。
 つまり、管理漏れリスクが少なくなるよう、キャラメイクにおいてはデータ複雑度にも配慮しないといけないわけです。特に他のPCから支援を受けてパワーアップする計画を立てているならば、よりデータ複雑度は増します。

プレイングスキルへの過信

 格闘ゲームではコマンドミスを警戒するでしょう。スポーツなら尚のこと、スタミナとか、ボールを運ぶ技術とか、チームワークのためのコミュニケーションとかを訓練しないといけません。「ゲーム」を日本語に訳すとき「競技」と訳す場合があります。ゲームにはプレイヤーのスキルが求められるのです。
 しかし原則的に熟考が許されているTRPGでは、プレイヤーは「操作ミスをしない」ことを前提に考えてしまいがちです*3。しかし例えば4時間のセッションであれば、途中、休憩を挟むにせよ、その時間の間、集中力を持続させ、計画通りにプレイングを遂行するには、確かなプレイングスキルが必要です。もっというと、知的鍛錬とか、ゲーマーとしての基礎体力*4みたいなものが必要なのです。
 仕事でたっぷり疲れてきてから遊ぶ平日夜のセッションで、PCの能力を最大限に活かせる高度な配慮*5を持続させることができるか、不安があります。
 つまり「フル回転できない自分」を想定できないことが、「忘れ」の原因なのです。

忘れたくない!

 「管理漏れがないように気をつける」というのはある種の根性論であって、具体的に何に気をつければ管理漏れが防げるのかが分かりません。とは言え「ゲーマーとしての基礎体力がないうちは、難しいコンボには挑戦するな」という寂しい結論に辿り着きたくもないですよね。
 じゃあどうするか。

  • データ複雑度を下げる (リスク回避)

 具体的には演出として頭の中でイメージできる範囲にとどめておく。データと演出を1対1対応で覚えておくと記憶しやすい。

  • ダメージ表などを作成する(リスク軽減)

 味方の支援を受けた場合と受けなかった場合で場合分けをするなど、幾つか想定されるパターンごとに予め計算結果を書いておく。

  • お互いに声を掛け合う(リスク転嫁*6

 支援をかけた側が、かけられた側のターンにおいて、支援分をダメージ計算に含めるように促す。また皆で覚えておくようにする。

  • コンボはロマンじゃ(リスク受容)

 管理漏れなど恐れない。キャラ愛があれば腹をくくれる。

*1:回復役なら回復量ということになります。つまりもっと一般的な言い方をすれば「パフォーマンス」です。

*2:「あ、そういえば、○○乗せるの忘れてた」と言ってはGMに泣きのお願いをします。GMのときもよくやります。

*3:戦闘マップ上のキャラクターコマ(フィギュア)を少しでも動かしたら行動の巻き戻しはしない、という裁定を下す厳しめのGMは、操作ミスに対して厳しいGMです。この立場はスポーツ的にプレイヤーの知的スキルを重視する立場ですね。

*4:何度もセッションを重ねることで、細かいところも色々と覚えきます。これがそのゲームをプレイする上での基礎体力になってゆくわけです。

*5:細かい宣言を忘れずにやっておいて、正しくダメージ計算すること

*6:本来の意味とは違いますね(笑)

マスタリング

交渉の裁定について

 NPCとの交渉を技能やアビリティではなく、ロールプレイ(口プロレス)によって解決するという考え方についての考察。

基本的なスタンス

f:id:lib14:20161213210823p:plain
 上の図は卓の状況と交渉の解決方法を対応づけたものです。GMはシステムの性格と、シナリオの価値を理解したうえで、プレイヤーの状況やセッションの残り時間等に合わせて適切な裁定(どのルールを使用して状況を解決するかを決定)をするのが理想です。そこで私なりの裁定基準を表にしてみようと試みました。もちろん、他の状況がそれを許さない場合もあるでしょうけれど*1、とりあえず、こんなふうに考えていますという表です。
(図中*1)交渉をロールプレイで解決する場合、NPCの立場の一貫性や、プレイヤーにロールを把握させるプロセスの計画が大切。
(図中*2)交渉をロールプレイで解決させる場合、「判定」に慣れたプレイヤーとの間のギャップを埋める工夫が大切。

口プロレス

 口プロレスは楽しいものです。私は一定の条件下では寧ろ、口プロレスは推奨されるべきであり、セッションの良いスパイスになるとさえ思っています。口プロレスの良さとして

  1. キャラメイクが苦手でもコミュ力でカバーできる
  2. 状況を打破する手立てがない時の救済措置になる(特に昔のシステム)
  3. プレイヤーの「知恵」で状況を打破したというカタルシスが得られる
  4. GMがどこまで認めてくれるかスリリングな駆け引きが楽しめる*2

 といった点が挙げられるでしょう。しかし、一般的に言われているように、交渉技能等が実装されているシステムで敢えて口プロレスをする行為は「狡い」とか「マナーが悪い」といった印象をもたれる可能性もあります。
 交渉技能など、交渉のためだけに存在するルールが実装されていないシステムを幾らか例を挙げられるでしょう。そういうシステムで、折角交渉が得意なキャラクターを作成したのにロールプレイで解決しろと言われたら、損した気分になります。ただし、キャラメイクのうまいマンチばかりが活躍してしまう*3という状況を打破する一つのやり方としては冴えています。ルールに基づく公平性か、みんなで楽しくやる平等感か、状況によって違います*4

その他補足

 TRPGには大雑把に言って、問題解決指向の遊び方と、物語創造指向の遊び方があると思っているのですが、問題解決指向、つまり敵を倒したり謎を解いたりすることに価値を置く遊び方の場合、ロールプレイによる交渉解決は「常に口がうまいプレイヤーが活躍する」状況をつくってしまって不平等感を生みます。だたし、全てのプレイヤーの口の上手さがだいたい同じぐらいで、ちょうどいいライバル関係が成り立っている場合は例外です。そういう場合は、お互いが刺激しあって、よいセッションになるはずです。
 またシミュレーショニスト*5の立場からすると「知力が低いキャラが交渉がうまいのはおかしい。もっとお馬鹿なロールプレイをするべきだ」という批判が出てくることになります。ゲーミスト*6からすれば「知力判定は苦手だから別の戦略、つまりロールプレイによる解決を試みただけ」なのですが、シミュレーショニストからすれば気持ち悪いのです。「なぜあなたは知力が低いのに、今のような高等な言いくるめができるのですか?」という質問に答えられなければなりません*7
 一方で物語創造指向の遊び方、つまりキャラクターらしさを強調し、物語が完成する過程に価値を置く遊び方の場合、技能による解決は「折角キャラクターらしさが表出する場面なのに、ただダイスを転がすだけなんてドライ過ぎて面白みがない!」と思うはずです。特に自作シナリオを作ることができるGMは物語の創造に適性や興味がある人が多いです。そういうわけで、プレイヤーに対して「交渉は技能じゃなくてロールプレイでやってください」と要求したくなるのです*8。結論から言えば「人を選べ」あるいは、「無理強いをするな」さもなくば、「やるならちゃんと着いてこられるように綿密に計画して手順を踏め*9」ということになります。

*1:その最たるものは自分の能力の限界だったりしますよね。

*2:意外と忘れがちな観点です。ルールに対してまじめで杓子定規な感じのGMに仕掛けると嫌がられる可能性が高いので、初見さんには仕掛けない方がよいと思います。

*3:キャラメイクのうまさによって活躍できる/できないが大きく変わるシステムもあれば、適当に作ってもそこそこ活躍できるキャラが作れるシステムもありますね。

*4:ルールを読み込むのが得意な人は「ルールで戦いたい」と思っているし、コミュ力のある人は「GMを言いくるめたい」と思っているわけで、結局の所、自分の得意なフィールドで戦いたいと思うのはどちらの側も同じです。「どちらの方が客観的にフェアか」という議論は不毛で、「ここに集った皆にとって最善は何か」とか「GMとしてどの種類のフェアネスを貫きたいか」という意思決定問題こそが本質です。そしてGMを含めた参加者は有耶無耶にせず、自分の思いを伝えることが大事です。

*5:Ron EdwardsのGNS理論において、ゲームの設定において何が最も現実的かという判断を行動原理とする人。

*6:Ron EdwardsのGNS理論において、問題を最も効率的に解決する方法は何かという判断を行動原理としている人。

*7:これを「納得させた者勝ちじゃないか」と言って批判する向きもあるのですが、かっこいいロールプレイをした人にリソースが配られるシステムが「かっこいい物語」を指向しているように、納得させられればOKという考え方は、「状況がイメージできること」を指向しているに過ぎません。シミュレーショニストにとって、現実味のないルールよりも、主観的に想像可能であることの方がはるかに重要なのです。問題はシステムがどの方向を向いているか、参加者がどの方向を向いているかという事です。

*8:市販のリプレイは読者に読ませるためのコンテンツなので、プレイヤーにロールプレイを強制することが許されます。プレイヤーはそうであることを前提に卓への参加を承諾したはずだからです。リプレイでのGMの振る舞いを「プロの人がやっている事だから」と無批判に踏襲してしまうと、実際のセッションでは通用しない場合があります。もし物語創造を楽しみたいのであれば、リプレイにおいて前提となっている「隠された合意」を「可視化された合意」にする必要があります。つまり、ぶっちゃけと摺り合わせです。

*9:この計画や手順についての指南書をよく知りませんが、私が以前、ロールプレイによる交渉が主要なゲーム体験(=そのシナリオの一番面白いところ)であるところの古い公式シナリオを回すことになったとき、PCの立場やNPCの立場と関係する事柄について何度も繰り返し印象づけたり、プレイヤーが自分のキャラクターを物語の中に位置づけているかどうかを診断するための小さな質問をシナリオの中に忍ばせたりしながら「プレイヤー自身が考えて全てをやり抜くこと」と「道を踏み外さないこと」を両立させるように努力しました。またPCの設定を積極的に取り入れたり、演出上のメリハリをつけるなどして物語に「参加すること」に対してテンションが上がるように工夫もしました。

どどんとふ スカイノーツ

スカイノーツのダイスボットをどどんとふに入れてみた

経緯

 「公式サイトにて配布されているダイスボットを改良してみたので、自鯖で実験して欲しい」と友人に言われたので実験してみることにしました。私は『歯車の塔の探空士』は(現時点で)持っていないんですが、導入してみようという人の参考になるかも知れないので、やり方を紹介しようと思います。
 飽くまで「私はこのやり方で上手くいった」というだけなので、やってみようと思う方はご自分の責任でよろしくお願いします(笑)

要約

public_html >> DodontoF >> src_bcdice を開いていることを前提とする。

(1)diceBotにSkynauts.rbを入れる。
(2)configBcDice.rbに「Skynauts」を追加する。
(3)bcdiceCore.rbの最後ら辺にある「when /(^|\s)None$/i, ""」行の直前に以下3行を挿入する。

when /(^|\s)(Skynauts)$/i
 require 'diceBot/Skynauts'
 diceBot = Skynauts.new

(4)src_rubyにフォルダを変えて、config.rbを開き、「歯車の塔の探空士」を追加する(DodontoFまで一旦階層を遡る)。

オレンジ色はフォルダ名、緑色はファイル名、カギ括弧で括ったものは文字(テキスト)を表す

前提

  • どどんとふの自鯖をもっている(自分でサーバを立てるか、レンタルサーバー会社と契約してどどんとふのコピーをアップロードできている)
  • フォルダ(ディレクトリ)の階層構造について理解している(パソコンの基礎知識レベル)

.rbの中身書き換えについて

configBcDice.rb、bcdiceCore.rb、config.rbという3つの.rbファイルを書き換えないといけません。
書き換えるには、.rbファイルを右クリックして「プログラムから開く」を選択します。Windowsなら「メモ帳」など、何かしらのテキストエディタを開きます。
ファイルの下の方に、TRPGのシステム名っぽいものが羅列してあることに気づくはずです。
configBcDice.rbは英語名で書かれています。
bcdiceCore.rbではwhenから始まる数行にわたって、そのシステムで使うダイスボットやカードセットについて定義しています。
config.rbでは日本語名で書かれています。あいうえお順になっているはずです。
要するにこれら3つのファイルの中身を空気を読んで追記する作業をします。

その他

公式サイトでDLできるSkynauts.txtはテスト用のファイルだそうです。

ドラクルージュ

ドラクルージュにおける「耽美」について

 耽美がよく分からないから『ドラクルージュ』ができないという趣旨の意見に共感しつつも、「でも、ドラクルージュってそもそも『耽美』なの?」という疑問があるわけです。恐らく「耽美、耽美」と仰っている方のほとんどが、美術史における耽美主義の文脈で「耽美」という言葉を使っているわけではないと思いますし、必ずしも日本のサブカル史における耽美系(JUNEとか)を踏まえているわけでもないでしょう。
 『ドラクルージュ』が耽美ゲーであるというのは、ルールブックのルールパートには特に書いてあるわけではありません。「耽美」という単語はリプレイパートのプレイヤー発言に見て取ることができますが(例えばP15)、「このゲームは耽美をやるゲームです」などとはどこにも書いていないのです。
 なぜ「耽美」という言葉が一人歩きをしてしまっているのか、よく分かりませんが、『ドラクルージュ』という新しいゲームの世界観を一言で表現する単語として冴えているように感じます。「耽美」という単語が、ある種の方向性や関連した作品を想起させつつも、多義的で曖昧ゆえに、創作意欲を掻き立て、魅力的にみえます。インコグ・ラボの社長さんもトークショーなどで積極的に「お耽美」という表現を使っていたと記憶しています。
 僕はこのような、ルールブック等では言明されていないにも関わらず、ゲームの雰囲気を決定づける要素として、ゲームを遊ぶ人たちによって広められた言説や、プレインググループ内で形成された文化のことを、メタ・フレーバーと呼んでいます。その上で、メタ・フレーバーと対比させるための概念として、実際にプレイヤーがロールプレイをする時に参考にし、GMがシナリオを作る時に参考にする言明された事項を置きます。これをロールプレイ・アジェンダと呼ぶことにします。
f:id:lib14:20160714233042p:plain
 『ドラクルージュ』において「耽美」がメタ・フレーバーならば、ロールプレイ・アジェンダは「騎士の三つの誓い」です。すなわち「自身を律さねばならない、民草を守らねばならない、堕落を許してはならない」です。

システム メタ・フレーバー ロールプレイ・アジェンダ
ドラクルージュ 耽美 騎士の三つの誓い
ダブルクロス 中二病 ロイス/タイタス
パラノイア ディストピア 幸福は義務

 他のシステムと並べてみるとこんな感じでしょうか。異論はあると思いますが、例えばの話です(ゲームサークルによってメタ・フレーバーが違うことだってありますからね)。*1
 メタ・フレーバーは、そのシステムについて知らない人に対してカタログ的に説明する場合に威力を発揮します。特に今までTRPGをやった事がない人にシステムを紹介する際に意味のあるタームです。しかし、ちゃんとシナリオ作りたいなとか、ちゃんとロールプレイしたいなと思っている人にとっては、曖昧過ぎて意味不明なタームになっているのです。
 このようにメタ・フレーバーは、ルールブックを熟読しなくても、ゲームの方向性を掴む上で有効な手立てです。しかし、ルールブックを読み始めると、「このシステムを使って、どうやってメタ・フレーバーを実現すればよいのだろう?」という疑問に辿り着くのです。例えば「耽美にするにはどんなシナリオを書けばいいのか」「耽美とはどういうロールプレイのことか」と考えることです。
 これがメタ・フレーバーによるロールプレイ・アジェンダの侵蝕です。しかし先ほど説明した通り、ルールブックをよく読めば、『ドラクルージュ』は字義通りの意味で「耽美」を目指したシステムではないことが分かります。
f:id:lib14:20160714234350p:plain
 「耽美」というスローガン(?)は、シナリオやロールプレイの目標として位置づけられるわけです。『ドラクルージュ』というシステムがどういう遊び方をするゲームなのかが十分に理解されていないうちは、影響力の強いメディアに影響され、メタ・フレーバーによってロールプレイ・アジェンダが侵蝕されます。しかし、ルールブックの分析が進み、一定の共通理解が得られるようになると、システムが想定しているロールプレイ・アジェンダ*2が浮き彫りにされ、ルールブックに書かれている事と、そうでない事の境界線がはっきりするようになります。
 



 さて、ここまで説明をして「ちょっと違うんじゃないか?」とお思いの方もいらっしゃるかもしれません。確かに、フレーバーの話と、ロールプレイの話を対比させるのはおかしな話です。敢えてそうしたのは「耽美って何をするのか分からない!」という疑問に答えるためでした。ここで新たに「騎士の三つの誓い」をプレイすることと、「耽美」に何の関係があるのかという新たな疑問が登場するでしょう。
 結論から言いますと、何ら関係ありません。先ほど証明してみせたように、そもそも『ドラクルージュ』というシステム本体は耽美ゲーなどではないからです。ごめんなさい、夢を奪うような事を言ってしまって……。でも耽美擁護派のみなさん、安心してください。メタ・フレーバーではない、ただのフレーバーは残ります。ルールに明記されているフレーバーです。
 ドラクルージュは、[行い]の名称をはじめ、各種ゲーム用語が非日常的で詩的な雰囲気をもっています。[行い]のフレーバーや、経歴表の文章も、心揺さぶる物語を想起させるに足る内容となっています。セッション中にこれらの言葉を発することで、場の雰囲気がドラクルージュの雰囲気になるように方向付けられます(宣言なのでルール上、そう発言しなければならないわけです)。『ドラクルージュ』はプレイヤーの「発言する」「発言を聞く」というプレイを通して、個々のプレイヤーの創作意欲が刺激され、ドラクルージュ的なお話を考えたくなるように誘導している仕掛けになっています。創作的なロールプレイをあまりしないプレイヤーであっても、少なくともルールに基づいて、フレーバー付きの言葉を「発言する」ことで、無自覚にも、ドラクルージュらしいフレーバーを振りまくことに貢献することになります。リプレイパートのP15でプレイヤーAが「みんなして耽美ですね!」と発言していますが、キャラメイク時に経歴を振ってキャラが出来上がった過程の中での発言です。
 強いて言うなら『ドラクルージュ』は耽美にするゲームではなく、耽美になるゲームであり、その辺はシステムが保証しているというわけです。しかし、そのシステムの一部にプレイヤーが組み込まれているため、「耽美って何だろう?」と考えさせられてしまうのです。
 だからまず「ドラクルージュはプレイヤーに耽美であることを求めていない」という認識に立つことが大切です。これで「耽美なんだからエロくていいよね」みたいな過激派を撃退できます。とは言え、雰囲気は大事です。結局のところ耽美推進派は「雰囲気壊さないでね」「無粋なことを言わないでね」という要請を「耽美にやりましょう」に込めているのであって、「耽美」の歴史的意味や、近代主義に対するアンチテーゼとしてのチョメチョメに興味があるわけではないのです。

*1:余談ながら、「冒険者」という立場は「酒場」「依頼」「報酬」「戦闘」といった具体的なひとまとまりの行動様式を想起させますが、メタ・フレーバーの一種です。具体的に何を意識してロールプレイをすればいいのかが欠けているからです(cf.よくあるグダグダな酒場プレイ)。これに対する、「報酬、経験値、身の危険」というロールプレイ・アジェンダは非常に優れています。しかし、しばしば彼らは金銭による報酬以上の、名誉だとか、ロマンを求めて冒険に出かけることもあります。TRPGプレイヤーは魅力あるシナリオに出会った時、思いがけない決断をすることがあります。そういう意味で「耽美」というロマンは心の片隅には置いておいた方がよいキーワードなのかも知れません。

*2:ドラクルージュは、キャラクタークラス(血統と道)によってロールプレイ・アジェンダのディテールが変化します。基本的には「騎士」という点で同じなのですが、血統や道によって立ち位置が変化し、それらに応じたロールプレイをすることが推奨されます。また「騎士の三つの誓い」のひとつは「己」、ひとつは「民草」、ひとつは「堕落」です。このうち「民草」と「堕落」はゲームマスターたるDRが演じるわけです。守るべき民草と、許してはならぬ堕落を描くのが究極的にはDRの仕事というわけです。

AR2E シナリオメイク

FS判定のバランスについて

■FS判定の意義

 FS判定は「ただダイスを振るだけ」「目標値との差分を参照して進行値を出すのが複雑」などと思われがちですが、使いこなすことができれば、戦闘ばかりで単調なシナリオにスパイスを加えたり、ゲームシステムを利用してロールプレイを誘発しドラマチックな展開にもっていったりすることができる便利なツールです。
 非戦闘手段による問題解決をPCに提示したいときや、常に変化し続ける冒険的状況をゲーム的に表現したいときに便利です。またプレイヤーのアイディアで物語が変化し、シナリオで想定していなかった状況へのアドリブ対応にも使えます。

■FS判定の利用目的

 GM、あるいはシナリオ作成者は、FS判定を、どのようなゲーム体験をプレイヤーに与えるものとして位置づけているかを想定しておかなければなりません。以下A~Eは私が想定するFS判定の利用目的です。一つのFS判定が、複数の利用目的に貢献する場合がありますが、優先順位をつけておくことを推奨します(例:まずDありきでBも兼ねる)。
A:PCがそれぞれの得意分野で活躍し、キャラを立たせるため
B:PCどうしが協力しないと解決できない障害を用意し、PC間の絆を際立たせるため
C:判定系のスキルを使用させ、支援キャラ、技能キャラを活躍させるため
D:ゲーム中盤でフェイト、アイテムなどを消耗させ、危機感を出させるため
E:戦闘を複雑で面白いものにするために

■A:ロール演出型(ゲーム的なキャラらしさを描く)

 キャンペーン序盤に位置づけておくのがよい。
 市街地での逃走劇など、物理的な障害と、知力や精神が関係してきそうな障害の両方が出せそうなシチュエーションを用意する。
 参加人数は1人、イベントは進行値3~4ごとに変化するようにし、完了値はPC人数に合わせて14~18程度にしておく。1つ1つの目標値は低めに設定しておくこと。具体的にはCL1~3ならば目標値は8~10ぐらいとする。支援判定に使用する能力値は進行判定と同じにするか、シチュエーションに合ったものにするとよい。
 各判定能力値は【筋力】【敏捷】【知力】【精神】に設定しておくと幅広く使える。
 GMは進行値が上昇した際に、「誰の活躍で何がどうなったのか」をしっかり演出するようにしたい(支援判定含めて)。

■B:ドラマチック型(連携と駆け引き感を演出する)

 FS判定は進行判定(メインで問題解決する)と支援判定(その手伝いをする)によって構成されているという点が重要である。FS判定ではイベントごとに能力値が変化したり、「行動済のため動けない人」が存在したりするため、「誰がメインをやるか」「サポートは誰がどのようにやるか」について頻繁に作戦会議を開く必要が生じる。戦闘では「いつもの役割分担」で済んでいたギルドメンバーが、改めて連携を取らされることで、ギルドメンバーの違った一面を見ることができるチャンスである。
 参加人数は2~3人とし、支援判定は進行判定とは別の能力値にするか、「うまくシチュエーションに合った演出ができれば、好きな能力値で判定していいですよ」とプレイヤーに伝えるとよい。イベントは頻繁に変わる方が望ましいため、3ごとに変化するように設定する(目標値が高い場合は2ごと)。能力値は多様であることが望ましいが、無理にバランスを取る必要もない。全ての状況下で支援に回るキャラクターがいても構わない。重要なのは進行判定の能力値がシチュエーションに合致していることと、支援判定の演出がしやすいように時間や場所などの場面設定がしっかり伝わることだ。
戦略性を出すため、次のイベントに関する情報、どの能力値の判定がきそうなのかを推測できるような描写を入れることで、プレイヤーに「駆け引きっぽい」プレイング体験を与えることができる。この描写は「引っかけ」を抜きにして、素直である方が望ましい。誰が先に判定するか、誰がフェイトを突っ込むか、誰が支援に回るのか、そして支援判定のためにどんな演出(ロールプレイ)をするのかについて、あれこれと考えてもらいたいからだ。不確定要素があまりにも多すぎると、プレイヤーは考えることを放棄してしまい、ただダイスを振らされるだけの作業になってしまう。

■C:技能判定型(折角取ったスキルを活躍させる)

 このタイプの目的のためにFS判定の場面を用意しようと考えているGMは、まず技能系一般スキルについて一通り把握しておかなければならない。技能系一般スキルとは、特定のシチュエーションにのみ使える一般スキルを指す。
●筋力《アスレチック》《ウォータースイム*》●器用《リムーブトラップ》●知力《アイデンティファイ》《モンスターロア》《アルケミーノウリッジ》《ヒストリー》《ミュトスノウリッジ》《マジックノウリッジ》《アストラルノウリッジ》《ロイヤルノウリッジ》●感知《ファインドトラップ》《リサーチ》《サーチリスク》《ビジランテ》《トラッキング》●精神《オピニオン》《ブラフ》《インサイト》(*印は該当能力値以外でも使用できる可能性あり)
これら技能系一般スキルの他にも、アイテム、あるいはある判定を強制的に別の能力値に変更してしまうスキル、《ブレッシング》《ダンシングヒーロー》《マドリガーレ》など、非戦闘時の判定にも効果を発揮する汎用的な達成値上昇スキルも役に立つ。
ともかく、FS判定において[トラップ解除]や[アイテム鑑定]を要求してはいけないルールはない。「薪割り」と称して、「種別:斧」の武器を使用した命中判定と言うことだって可能だ。「交渉のための【精神】判定」と言えば《オピニオン》の活躍の場と言えし、ロールプレイ次第では《ブラフ》が使えるかも知れない。具体的なスキルを思い浮かべながらシチュエーションを考えていくというわけだ。
ちなみに、このテクニックはFSでなくとも、通常の判定の場面でも応用ができる。例えばダンジョンの部屋の中で「鍵」を探すようば場合、[情報収集]として扱うように宣言しておけば、シティアドベンチャー用に取得した《リサーチ》が無駄にならずに済むし、事前に噂話として聞いていたことにして《ストリートワイズ》や《グレープバイン》を活躍させることもできる。
ルーリングの基本的な考え方としては、なるべく拡大解釈を許容すること。《マジックノウリッジ》が適用されるようなシチュエーションで、《ミュトスノウリッジ》が適用されてもおかしくないような場合、《ミュトスノウリッジ》も適用されることにしておくのがよい。合言葉は「もう単なるフレーバーとは言わせない」である。

■D:リソース削り型(危機感の演出)

 リソース削り型は、名前に反して、プレイヤー心理を突いた文系っぽいシナリオ設計が要求される。
 ここではFS判定に失敗したらどうなってしまうのかを明確にしておくことが重要である。初心者向けのシチュエーションとしては「ボスが強くなる」「モブが5体追加される」といった分かりやすいものを推奨するが、なるべくなら「武器を敵に奪われる」「ヒロインがエネミーとして参戦する」「キャンペーンでお世話になったNPC一人がランダムで妖魔化する」といった具合に、なるべくえげつないペナルティを用意しておくとよい。そうしておくことにより、プレイヤーは、少しばかり目標値が低くても、本気でフェイトをつぎ込んでくれるはずである。事前にヒロインとの交流シーンを丁寧に描いたり、マスターシーンを挿入したりして、なるべくプレイヤーに感情移入させるように工夫したいところだ。
 さて、リソース削り型のFS判定において、最も簡単にリソースをつぎ込んで貰える方法は目標値を高く設定しておくことだが、あまりオススメしない。戦闘では、ダイス目が悪いことによるエラーHPやMPといったリソースの消耗で吸収してくれるが、FS判定におけるエラーは残りラウンド数に直結する。基本的に『AR2E』はリソースの消費によってエラーを回避し、リソースの消費によってドラマを”購入”するゲームだ。理不尽に目標値が高い判定によってドラマが決定してしまうのは、『AR2E』の基本的な文法から逸脱してしまう。そしてそういう状況に不慣れなプレイヤーから絶望感が漂い、良いプレイ体験が得られない可能性が高い。確かに終了条件を設定せず、ラウンド更新ごとにHPロスを受けるというルールを設定すれば戦闘と同じよう処理できるが、もはや戦闘でよい。それよりも数学的に成功する確率が高い状況下で、えげつないペナルティを提示した方が盛り上がるし、エラーも発生しにくい。また、エラーに対する納得度も高いと思われる。
 実はD型は危機感とは逆の方向でリソースを削らせることもできる。すなわち追加報酬である。「FS判定に失敗すれば何も起きないが、成功すればアイテムがもらえる」と言われれば、挑戦してみたくなるのがプレイヤー心理というものだろう。彼らが消費可能な範囲内ならば高い目標値、あるいは高い完了値を設定してリソースを削りまくっても許されるだろう。しかし報酬はプレイヤーの納得のゆくものでなければならない。最も簡単にプレイヤーを納得させる方法は、FS判定をする前に、報酬が何なのかを教えてしまうことだ。それでは興が冷めてしまうというのなら、それが何なのか想像がつくように仄めかすことだ。ただし、このやり方はリソースを削りつつ、別のリソースを与えることに他ならない。狡猾なプレイヤーは誘いに乗らないこともある。それゆえに「挑戦すること自体がワクワクするような体験である」と思わせる仕掛けがあるとよい。多少は不利な挑戦であっても、プレイヤーはロマンに対価を払ってくれるだろう。

■E:戦闘複合型(戦闘の勝利条件としてのFS判定)

 『神曲奏界ポリフォニカRPG』に「ショート・グッドバイ」というシナリオがある。FS判定が初めて搭載されたシナリオである。このシナリオのクライマックスフェイズでは、意固地になった元契約精霊がPCたちに戦いを仕掛けてくるのだが、PCは戦闘で彼女を倒してもいいし、FS判定で彼女を説得してもいいという仕掛けになっている。
 FS判定は説得や装置の破壊など、「敵の全滅」以外の勝利条件をもたらしてくれる。特に妨害者と交戦しつつ行うFS判定は、「敵をどこまで倒すか」「進行判定は誰が行うか」といった戦略性を出しつつ、従来の戦闘用のスキルと、判定用スキルの両方を活躍させることができる。
 全般的に戦闘中のFS判定では、戦闘行為にメインプロセスを取られてしまうため、支援判定が起きにくい(支援判定を重視するB型とは相性が悪い)。このため、各進行判定の目標値を低くしておくか、完了値を低くしておくことを推奨する。
 ここで、戦闘におけるFS判定の位置づけについて幾つか分類しておく。

●FS判定に成功することが勝利条件

 例えば妨害者がいる中で「粛正装置を止める」など。目標値や完了値がある程度高めでも構わない。

●FS判定に成功することが事実上の勝利条件

 エネミーを全滅させてもいいし、FS判定に成功してもいいと言いつつ、エネミーが「シナリオ1回」級の強いスキルをラウンド1回使ってくるなど、事実上、FS判定の成功しなければならない場合(《インタラプト》や《蘇生》で切り抜けられるラウンド数が事実上のリミットとなる)。プレイヤーは敵の戦力について理解する必要があるという点で、上記よりも複雑さは増すため、目標値や完了値を高くする必要はない。

●FS判定に成功することが勝利条件の一部

 「魔族の真の死を与えるための条件を満たす」→「敵の魔族を倒す」のように、FS判定に成功することが、戦闘で勝利するための前提条件となっている場合。どちらを先に解決しなければならないかとう駆け引きが発生しないため、A型やC型と組み合わせやすい。

●FS判定に成功することが勝利条件の選択肢

 例えば「魔女パンドゥーラを倒す」か「結界を破って姫を助ける」かをプレイヤーの意思で決めることができ、ギルドメンバーの能力のバランスによってどちらが有利になるのかが変わるような場合。

●FS判定に成功することで戦闘で有利になる

 戦闘に対して完全に従属的な立ち位置となる。例えば魔法防御力を+30する装具を身に付けた敵から、装具を引き離すために【筋力】や【敏捷】を中心とするFS判定を要求するような場合、プレイヤー陣は、前衛のウォーリアやシーフが「物理攻撃で殴る」か「メイジのためにFS判定に成功する」かを相談しなければならない状況になる。特に完了値を低めに設定しておくとよい。

■目標値と完了値

 目標値は高すぎるとエラー(事故)が起きやすいので、低めに設定しておくことをオススメします。ただし、完了値を低めに設定しておけば、目標値を高くしても構いません。進行値はあまり増えないけれど、ゴールには近づくという状況が再現できます。進行判定でクリティカルが出たときや、判定ブースト系のスキルを使いまくったときに猛威を振るいます。
 一方で目標値を低く設定し、完了値の方を上げておくと、支援判定の意味が薄くなり、判定ブースト系のスキルの意味も薄くなります。逆にGMにとっては、安定して各イベントの演出ができ、FS判定を使って物語の進行を演出しやすくなります。

■計算式っぽいもの

期待値=13+(CL÷3)+(CL÷5)
修正=(PC人数-参加人数)÷2
難易度={易しい=期待値-3}{普通=期待値-1}{厳しい=期待値+1}+修正
上昇値={易しい=3}{普通=2}{厳しい=1}
完了値=上昇値×参加人数×終了ラウンド数

この計算式っぽいものを何となくの基準にして、FS判定の利用目的に合わせて微調整します。

AR2E

アリアンロッド2E』の戦略論

ガチ勢には不要と思われますが、初心者やエンジョイ勢にとって、無駄な長考をスポイルする意味でも、押さえておきたい考え方があるので、紹介しておこうと思います。

何のための戦略

 PCが死んだり、全滅したりするのは嫌だと誰もが思うはずです。ロールプレイ重視と言えど、PCが死んでしまってはロールプレイもできなくなります。そして、できれば感情移入しているNPCの為に依頼を達成してあげたいところです。そういうわけで「ミッションを達成するにはどうすればよいか」というテーマについて「より楽しむコツ」と「より効率的に遂行するコツ」を紹介します。よくゲームの攻略本の冒頭に書かれている「基本戦術」みたいな内容です。

ミッションについて知る

 『AR2E』の勝利条件は原則としてクライマックスフェイズまで生き延び、ボスを倒すことです*1

見通しをもつ

 『AR2E』非戦闘シーンが3~7*2、戦闘シーンが2~4程度あります。この5~11シーンが『AR2E』の1シナリオの長さです。例外はありますが、目安としてこのくらいです。プレイヤーは今回予告、ハンドアウト、オープニングなどで描写された「気がかりワード*3」をチェックし、未だ解決していない事柄があった場合「まだクライマックスじゃないかも?」と判断することができます。逆にほぼ全ての謎が解き明かされている場合「もうすぐクライマックスかな?」と判断できます。
 『AR2E』は資源管理ゲームです。特に「1シナリオにn回使用可能」と書かれているスキルやアイテム、ギルドサポートを何時使用するべきかを判断したり、HPやMPをどの程度まで回復させるべきかを考えることが重要になってくるので(ポーションをどの程度買っておくべきか)、シーン数・戦闘回数に関する見通しは重要になります*4

資源:使用回数

 『AR2E』は回数制スキルを敵にぶつけて楽しむゲームです。例えば《ボルテクスアタック》や《マジックフォージ》などを使って敵に与えるダメージを過度に上げたり、逆に敵の攻撃を防いだり、重要な情報を獲得したりします。これは「1つのカードが特別な意味を持ち、局面をひっくり返す」トレーディングカードゲームの楽しみに近い性質をもっています*5
 こうした必殺技は、ボスのために取っておくことが基本的な戦略でしょう。ただし例外的なケースもあります。いずれにせよ、使うチャンスが訪れるたびに「今使う」のか「後のために取っておく」のかを判断しなければいけません。「後のために取っておく」ことを選択する場合は、「後に使わなければならない状況」をちゃんと想定するべきです。また「今使う」ことを選択する場合は、「なぜ今必要なのか」という理由があったほうが望ましいです。このとき肝に銘じて欲しいのが、「使わなければ損」という価値観です。後で使うあてがなければ、先に使った方が賢明なのです。「なるべく使わずに勝てた方がかっこいい」という縛りプレイは仲間にとっては迷惑です。
 ぎなみにフェイトも使用回数系の資源に含まれます。ギルドサポート以外に回復手段がないため、使用回数とほぼ同義です。

資源:MP

 MPは汎用性の高いリソースです。『AR2E』のアコライトは《ヒール》というスキルを覚えるので、シナリオ単位で管理しなければならないリソースはMPだけです(HPはシーンを跨いで管理する必要が殆どない)*6
 MPポーション*7は多く持っていても損はありません。CL1~2帯ではポーション類は高級品ですが、レベルが上がると(特にギルドが《目利き》戦略に走ると)ポーションが安価になります。資金も少なく、最大MPも低い低レベル帯では、MP消費の低いスキルに価値がありますが、高レベルになってくるとMP消費の低いスキルの価値は相対的に低くなっていきます。MPは多くのスキルに共通して有効なリソースです。そのMPを回復させるMPポーションは必須アイテムというわけです。様々な目的に利用できる資源は強力な資源である、というのは資源管理ゲームの定石です。

資源:HP

 HPは短期的な管理をします。特にCL3以降は、シーン終了時に最大値まで回復できるくらいにMP資源が充実してくるので、短期管理の傾向が強まります。

攻撃は最大の防御なり

 話を分かりやすくするため、防御力などの概念を除き、単純化して考えてみます(攻撃は必ず命中するものとして考えます)。
 例えばゴブリンが【HP10】【攻撃力5】だとします。そして前衛のウォーリアが【HP30】【攻撃力5】だとします。このとき、ゴブリンが3体同時に襲ってきたとしたら、前衛のウォーリアは勝てるでしょうか? 勝てませんね。では、ウォーリアが先制攻撃できるものとして、何ラウンド目に戦闘不能になるでしょうか?*8


 そして、ここからが実践の話ですが、このとき後衛にメイジがいるとします。メイジは【攻撃力5】です。
 では、メイジもゴブリンに先制できるものとして、ウォーリアは生き残れるでしょうか? メイジは後衛なので攻撃の対象にはならないものとします。*9


 それでは条件設定を少し変えてみます。ウォーリアとメイジがゴブリンに先制できないものとすると、どうなるでしょうか?*10


 ここまで考えてもらえば、敵よりも先に行動するという事がいかに重要か分かるかと思います。先に敵を倒しておけば、味方が受けるダメージが減るからです。同じ敵を執拗に攻撃し続けることは卑怯な手ではありません、生き残るために必要な戦略なのです。攻撃は最大の防御なり。火力は集中せよ。これが、鉄則です。駒を減らすと脅威は減るのです。

HP管理と回復

 先ほどの「攻撃は最大の防御なり」で使った例をもう一度使ってみましょう。
  >>ゴブリン【HP10】【攻撃力5】【行動値1】 ×3体
  >>ウォーリア【HP30】【攻撃力5】【行動値0】
  >>メイジ【後衛】【攻撃力5】【行動値0】
 このパラメータは先ほど確認した通りです。このままでは負けてしまいます。そこでアコライトに登場してもらいます。
  >>アコライト【後衛】【回復力10】【行動値0】
 こんな感じの支援特化のアコライトですね。ただしアコライトは回復するたびに、メイジは攻撃するたびにMPポーション1本分のMPを消費します。最も効率よく戦った場合、戦闘終了直後、MPポーションは何本使ったことになるでしょうか?*11


 着目して欲しいのは敵の合計攻撃力と、味方の回復力の差です。味方の回復力よりも敵の合計攻撃力が上回っている場合、毎ラウンド、ダメージが蓄積される計算になります。こうなるとジリ貧です。なので、敵の合計攻撃力を減らす=敵の数を減らすという戦術が有効になります。味方の回復が追いつかないうちは、残りHPが許す限り、全力で敵を攻撃した方が無駄は少なくなります*12
 安全に戦うには、最大HPを上げ、1ラウンドあたりの回復力を高めることが必要です。防御力を上げるよりも確実です(貫通ダメージにも耐えられるから)。その上で、敵の手数が多い場合は防御力や《プロテクション》の有用度が増すことになるでしょう。単独で強力な敵を相手にする場合は最大HPと回復力がモノを言います。このように戦う相手の構成によってダメージ軽減手段が有効な場合と、HPと回復力が有効な場合があるのです。大事なのは「どちらも強くする」ことではなく「自分の弱点を把握し(仲間を頼ることを含めて)何らかの対抗策を想定しておく」ことです。

ダメージとカバーリング

 ダメージは最も防御力の高い者が受けた方がお得です。要するにウォーリアは【筋力】を上げて、高級防具を揃えて《カバーリング》を取りなさいという話です。基本的にダメージというのは受けたくないものなので、回避したいと考えるのが通常の心理かと思います。しかし『AR2E』は回避を向上させる要素よりも命中を向上させる要素の圧倒的に多いゲームで、敵の攻撃もヒットしやすいのがセオリーです。回避特化のシーフを除き、基本的に攻撃は受けるもの、という覚悟がまず必要です。
 その上で、受けるダメージを最小限に食い止めるには、防御力が高い人がダメージを受けるしかありません。ゲームの構造上、防御力の高い防具が装備できるのはウォーリア>アコライト>シーフ>メイジとなっています。ウォーリアが《カバーリング》を取得できるのは理に適っているわけです。場合によってアコライトが副次的にその役割を担うこともあり得るでしょう。積極的にダメージを受け、後で回復するという役割もあるということを覚えておいて下さい。ウォーリアはダメージを受けてナンボです。
 特に防御力に特化したウォーリアは防御力と味方の《プロテクション》でほぼ全てのダメージを相殺してしまうでしょう。たとえ大ダメージを受けたとしても、防御力の分は無駄になりません。ただし魔法ダメージや貫通ダメージには弱いので、HP最大値や回復手段などの対抗策は必要になるでしょう。

回避とバッドステータス

 一方で、シーフは《バタフライダンス》や《ドッジムーブ》などを覚え、回避に特化できます。白兵タイプのエネミーがいるエンゲージに突っ込み、[スリップ]もしくは[威圧]を与えるシーフは嫌らしいトリックスターです*13。あるいは[逆上]を与えて回避の高い自身を攻撃の標的にします。
 回避型シーフの特徴は、命中が極端に高いエネミーからダメージを受けるリスクを抱えつつも、命中がそこそこしかないエネミーの攻撃は全て事実上無効化できる点です。魔法ダメージや貫通ダメージであっても関係なく、ダメージをなかったことにできるのが強みです。ただし万が一攻撃が当たってしまった時のリスク対策はとっておくことが望ましいでしょう。
 回避中心のキャラクターは、バッドステータスと組み合わせることで、味方を守る力になります。単体で回避が高くても、自身の生存率を高めるだけで、味方の勝利には貢献しません。それこそ無駄になってしまいます。

移動と位置取り

 ウォーリア、シーフ、武器攻撃型アコライトに共通するのが位置取りの重要性です。ウォーリアは高い筋力を活かして、シーフは《ランナップ》などのスキルを活用して、敵と同じエンゲージに入ります。移動力が非常に高い場合、目の前の敵を迂回して遠くの敵に肉迫することもできるでしょう。
 特に相手が白兵攻撃タイプの場合、足止めの役割を果たせます。相手の攻撃を自分に惹き付けることで、先ほど挙げた「ダメージを受ける役割」や「攻撃を回避する役割」が効率的に担えます。HPや防御力が低く、回避もあまり高くない脆弱なメイジに敵を近づけさせないのは、前衛の重要な役割です。そのため移動力や行動値、あるいはギルドサポートの《陣形》は非常に重要です。

攻撃とダメージ種別

 ダメージには3種類あります。物理ダメージ、魔法ダメージ、貫通ダメージです。貫通ダメージが最も良い手段で、次に魔法ダメージ、一番非効率的なのが物理ダメージです。ルールブックのエネミーのデータを眺めれば分かることですが、物理防御力の方が高いエネミーの方が圧倒的に多い(ほとんどと言っていい)のです。ゴーレムたちに至っては魔法防御力が0です。ゆえに、武器攻撃のダメージを魔法ダメージに変更するスキルやアイテムが猛威を振るいます。
 例えばメイジの《エンチャントウェポン》は武器攻撃のダメージを魔法ダメージに変更するスキルです。敵がゴブリンの場合、防御が5/3なので、「ダメージに+2する」という効果と同義になります。大して強くないですよね。でも敵がアイアンゴーレムの場合、防御が20/0なので、「ダメージに+20する」という効果と同義になります。《ホーリーウェポン》をSL5まで育てても、そこまで強くはなりません。圧倒的に強いわけです*14。他にもダメージを魔法ダメージ化、貫通ダメージ化するスキルがあるので、意外と良い選択肢になるはずです。

アイテムについての小ネタ

  • ダンジョンに行くときは、街で補給できないので、ポーションは多めに買っておくべし。
  • 重量さえ許せば毒消しは買っておくべし。
  • 交渉が重要そうなシナリオには「強心丹」を用意せよ。
  • トラップ解除担当者は「小型ハンマー」「小道具入れ」「くさび(複数)」を買っておくべし。
  • 冒険者セットの「火打ち石」「ロープ」「ランタン」は「小道具入れ」に入れて重量を節約すべし。

ビルド論:スキルは何を取るべきか

 初心者にありがちな失敗の多くはスキル取得の際に起きます。面白そうなスキル、どれも重要そうに見えてきます。実際のセッションではエネミーによって理不尽な状況が突きつけられるため、様々な状況に対応できるキャラクターにしようと考えがちです。けれど、正解は「ある程度の状況に対応できる、コンセプトを持ったキャラクター」を作成することです。特化というと言い過ぎになりますが、具体的な活躍ポイントを想定して、計画的にスキルを取得するのが無駄のないやり方です。例えば「ボスに対して大ダメージを与える」だとか「敵の物理ダメージを全部引き受けて味方を守る」だとか、何らかのコンセプトが求められます。そしてコンセプトに合致したスキルを優先的に取らなければなりません。

【無駄その1:タイミングが被る】
 セットアッププロセス、メジャーアクション、マイナーアクション、ムーブアクション、ダメージロール直前(直後)のスキルは1タイミングにつき1~2つまでにして下さい。『AR2E』は固定値積み上げ型のデータ構成をとっているゲームなので、「状況に応じて使い分ける」という戦略をとるよりも「特定の役割に特化して道を極める」方が有効なのです*15。ゲーマーよろしく状況を読んで色々判断するよりも、「私のPCは~~するキャラクターだ!」というキャライメージを皆に印象づける方向に向かっていくようなゲームデザインになっています。
 そういうわけで、なるべく「パッシブ」のスキルを取ったり、同じスキルのSLを上昇させた方が効率的なようにできています。

【無駄その2:役割が被る】
 仲間と同じ仕事はなるべくしないようにします。例えばトラップが不安だからといってPC全員が《ファインドトラップ》を取得するのは無意味です。また仲間と同じバッドステータスを与えるスキルを取得するのも無駄になる事が多いでしょう。

【無駄その3:弱いスキルを敢えて取る】
 命中判定のダイスを+1Dする《アームズマスタリー》があるにも関わらず、それよりも先に命中判定に+2する《ウェポンルーラー》を取得するような愚行は避けるべきです*16。「どのキャラも《アームズマスタリー》を取るのは面白くない」「たまには《ウェポンルーラー》を使うキャラがいてもいいじゃないか」という考えは確かに一理あるけれど、明らかに愚かな選択でしょう。《プロテクション》ばかりでは詰まらないから《サモン・アラクネ》を取るのとは訳が違うのです*17。その理屈を通してしまえば「皆回復アイテムを持ってダンジョンに行くのは詰まらないから俺は何も持たずに行くぜ」という理論が通ってしまいます。そんな仲間に背中は預けられません。どう考えても強いスキルを取るのは冒険者の常識だと覚えておいてください。

【無駄その4:シナジーを無視する】
 自分のPCが弓使いで、射撃攻撃をするキャラクターなのに、「白兵攻撃に+[SL×3]」みたいな効果を持つスキルを取得するのは無駄です。同様に《アームズマスタリー:短剣》を持つキャラクターが新しい武器として斧を持つのも無駄が多いです。「タイミング:《カバーリング》」と書かれている《カバームーブ》を、《カバーリング》を取得していないキャラクターが取得するのも無駄です。……はい、当たり前ですよね。失礼しました。ですが、こういう場合はどうでしょうか?
 アコライトが《マジックブラスト》を取得している場合の話です。長剣ウォーリアと、短剣シーフ、魔術攻撃メイジが味方にいるとき、アコライトは武器攻撃を強化する《ホーリーウェポン》を取得するか魔術攻撃を強化する《ホーリーワード》を取得するか悩んでいます。この場合、複数の味方を対象にできるため《ホーリーウェポン》の方がお得です。でも、アコライト自身が魔術攻撃をする人ならば《ホーリーワード》の方が魅力的でしょう*18
 また逆に考えるとシナジーを有効活用すると強力になります。「ラウンド終了までダメージに+4。」と「メインプロセス終了までダメージに+6。ラウンド1回。」と書かれているスキルがあったとします。後者の方が与えるダメージは大きいので、普通は強いですよね。ですが、ラウンド中の行動回数を増やす《ジョイフルジョイフル》などのスキルと組み合わせたとき、前者の方が強くなります。攻撃回数が2回になり、合計でダメージが+8になるからです。

学習論:ゲーム構造に気づく

 【感知】と【幸運】は戦闘であまり役に立たない能力値です。それゆえに、多くの冒険者たちが磨くことを疎かにしています。トラップと情報収集はその意表を突いた不意討ちになります*19。PCの得意な所を突いた仕掛けはPCの「無双演出」を誘発するイベントであり、PCの苦手な所を突いた仕掛けはPCの「ピンチ演出」を誘発するイベントである。「無双演出」においては、徹底的に格好つけたロールプレイをした方が盛り上がるし、「ピンチ演出」においては、悔しがるロールプレイをした方が盛り上がります。自分の長所と弱点を把握しておくことで、物語にもメリハリが生まれます。仲間のピンチを救うために【感知】を上げていたシーフは、さらりとトラップを見つけ出すのです。

学習論:戦略をいかに楽しむか

 「たかがゲームで、そこまで考えなくてもいいじゃないか」と思う人と、勝利や最適化に拘る人との間には差があります。戦略を楽しむ価値を求めているかどうかです。戦略そのものは、数学や経済学を勉強すれば身に付くかも知れませんが、戦略の楽しさ・価値は戦略を楽しむ良い環境に身を置かなければ身に付きません。リプレイなら、まぁそこそこ。良いプレイヤーと遊ぶのが近道です。
 行動の選択に正解があると思っている人は戦略を楽しむのには向いていないと思います*20。だから「失敗をしたらどうしよう」という考えを捨てて*21「私は~~という理由で○○するのが正しいと思った」という考えをもつようにすることが重要です。そしてその通りに行動宣言するのです。失敗した場合、読みがマズかったから失敗したのか、単に確率の問題で失敗しただけなのか、GMとの意思疎通がうまくいかなかったことが原因なのかがはっきり分かり、次に繋がります。ただ漫然と思いついた事をやるだけでは、プレイにメリハリがなくなり、戦略の楽しみが味わえなくなります。失敗したくないのならGMにお願いして手加減をしてもらえばいいわけです。私は、最大限努力した結果として敗北するのは恥ではないと思います。もしそこから教訓が得られるのなら価値のある敗北です。思いっきり悔しがった方が盛り上がります。「GM、リベンジ下さい!」と要求しましょう。

*1:FS判定に成功しつつボスを倒すとか、ボスの攻撃を受けながらFS判定に成功するとか、ヒロインを守りつつボスを倒すとか、そういう追加条件が加わることもあります。また勿論、勝利条件はGMが(シナリオ作者が)勝手に決められます。そういう意味では「英雄として演説して人々を感動させる」みたいなミッションも設定可能なのですが、考慮の対象にする価値がありません。

*2:オープニングとエンディングなど、演出のみのシーンは除外しています。

*3:いわゆる謎。GMが敢えて描写していることがメタで理解できる事柄。敵の正体、敵の目的、攫われた人々の行方、事件に絡んでいるであろう人物など、真面目なプレイヤーがレコードシートのメモ欄に書き写しているキーワードのこと。

*4:ついでに言うと、シナリオの長さを見通しておくことで、ロールプレイの見通しも立ちやすくなります。

*5:とても残念なことに、特別な意味をもつカードを持っているのはエネミーも同じです。彼らは実に卑怯なオリジナルスキルを持ち、PCたちに絶望と恐怖を与えてきます。そういうわけで、一発逆転カードはPCたちも取得せざるを得なくなります。「必殺技はないけれど強力な通常攻撃で地味に戦いたい」と思っていても、そういうわけにはいきません。CL3以上の冒険者は英雄の世界に足を踏み入れることになります。

*6:アコライトのMPを消費して《ヒール》を使用することで、皆のHPが回復するからです。この処理はダンジョンの部屋の処理が終わるたびに可能なため、シナリオ上の特殊な処理がない限り、HPポーションは戦闘中の緊急時以外は不必要になります。

*7:ハイMPポーションや野菜を含む

*8:正解は、2ラウンド目です。

*9:正解は、3ラウンド目に敵を全滅させて生き残れます。

*10:正解は、3ラウンド目にウォーリアが戦闘不能になります。そして4ラウンド目にゴブリンがメイジのいる地点まで移動されればPC側は敗北し、移動できなければメイジがゴブリンに止めを刺せる結果となります。

*11:正解は3本。回復に1、魔法に2、もしくは回復に2、魔法に1という割り当てになるはず。

*12:ダメージを増やすタイプのリソースは先に使っておいた方が味方の被害を少なくするチャンスに繋がります。

*13:バッドステータスのせいで結果的に離脱ができないため目の前にいるシーフを殴るしかありません。そしてその攻撃は当たりません。可哀想にエネミーどもはシーフに翻弄されるのです。

*14:通常、物防と魔防の差を知ることはできませんが、セージの《トゥルースサイト》を使えば分かります。つまり《トゥルースサイト》と《エンチャントウェポン》はシナジーを生むということです。

*15:《インビジブルアタック》と《スマッシュ》はどちらも「タイミング:マイナーアクション」です。使わなくなったもう片方のスキルは死蔵資産になってしまいます。死蔵資産は「スキル枠」という機会費用を支払って手に入れていますから、間違いなく無駄です。「スキル枠」を別のスキルに投資した方が有益です。例えば《インビジブルアタック》ぶんのスキル枠をパッシブの《ウェポンルーラー》に投資すれば、命中+2は常に確保されるわけです。確かに《インビジブルアタック》よりも命中精度は下がりますが、《スマッシュ》が死にスキルにならないという点でお得です。

*16:1Dの期待値は3.5で、2よりも大きい。そのうえ、判定のダイスが増えればクリティカル率が上がり、ファンブル率が下がるのです。

*17:《プロテクション》の方がコストが安く、使い勝手がよいが、《サモン・アラクネ》は範囲(選択)でダメージ軽減ができるため、それぞれ長所と短所があります。また《アームズマスタリー》を取らずに《カバーリング》取るのは、おかしくない選択でしょう。どちらの選択も筋が通っています。どちらが正しいかは結果論でしかありません。

*18:前衛はそれぞれエンゲージを分けることが多いため。

*19:魔術系のトラップは【幸運】判定を求めるものも多い。

*20:「正解」を押しつけてくるベテランと一緒に遊ぶというのは、貧しいプレイング環境です。

*21:その背景には仲間への「遠慮」が見え隠れしています。なら「私は~~という理由で○○したいけどいい?」と相談すればよいのです。その時、待ったをかけなかった仲間は結果に対して責任を負うことになるからです。相談というテクニックは重要です。失敗を「私のせい」から「皆のせい」にすることができるからです。そうやって仲間は本当の意味で仲間になっていきます。