lib14's TRPG library

TRPGに関するメモや随想など

2015-09-23から1日間の記事一覧

プレイヤーにとってのTRPGの価値(Ver.1.0) この記事はTRPGを楽しむための思考の枠組みとして、あれこれ考えていることについてまとめたものです。思ったより長くなってしまったので、いくつかの記事に分割しています。この記事はポータル的な記事…

価値六相(ヴァリュー・チャート) TRPGの価値を構造的に把握するなら、6つの相によって捉えることができるだろう。すなわち、[攻略性][役割性][参加性][創造性][体験性][遊戯性]の6つである。これらは互いに関連しながら、全体としてTR…

攻略性 何度かゲームを遊んでいると、どうすれば敵に勝てるのかという「勝ちパターン」のようなものが見えてくる。囲碁や将棋の世界では「定石」としてまとめられているが、TRPGでは、攻略性を意識するプレイヤーたちの間で何となく共有されている程度で…

役割性 ロールプレイングゲームは役割を演じるゲームだという。卓全体の中で自分が果たすべき役割を自覚し、その役割を果たすことは「自分が役に立っている」という充足感を味わうことができる。みんなで協力して敵を倒す感覚や、みんなで1つの物語を創って…

参加性 TRPG者どうしの合図とか呼吸とか、そういったものがある。車を運転しているときに、道を譲ってくれたお礼にハザードランプを点けたり、「お先にどうぞ」の意味でパッシングを送ったりする。ルールには明記されていないが、そういう空気が実際には…

創造性 ゲームが映画と異なるのは、プレイするたびに結果が変わること。そしてプレイする人によって結果が変わること。コンピュータゲームはプログラムの範囲でしか結果が変わらないが、TRPGは各自の想像力とGMの裁定能力に依存して変化の範囲は拡大し…

体験性 アニメの主人公が不思議な力を使って悪い奴をやっつけるのを見て、「僕もやってみたい」と思ったことはないだろうか。「自分ではない誰かになってみたい」という変身願望を叶えてくれるゲームがあるとしたら、どんなに素晴らしいことだろうか。我々に…

遊戯性 TRPGというのは自由な遊びである。キャラクターを通じてゲーム世界に影響を与え、その場を面白くしていきたいという気持ちが根本にある。我々は悪戯者で、出しゃばりで、エンターテイナーである。PCの行動によってゲームが、物語が変化していく…

価値六相と深層欲求 VCに対して深層欲求の三角形を重ねることができるだろう。深層欲求は[支配欲求][承認欲求][成長欲求]の3つである。 支配欲求: 場をコントロールしたいという欲求。 承認欲求: 誰かに認めてもらいたいという欲求。 成長欲求: …

深層欲求が満たされない場合の問題行動 深層欲求が満たされない場合、セッションを退屈に感じるだろう。依頼人から感謝の言葉がなかったり、報酬を出し渋られたりすると脱力感を覚える。結果を出したにもかかわらず評価されないからだ。あるいは、PCが名前…

誤解に基づく問題行動とトラブルの回避 一方でゲームとしてプレイヤーが判断を誤ったり、公正なランダム判定の結果、敗北したりする場合においてもフラストレーションが溜まることがある。この種のフラストレーションの原因はシナリオやマスタリングのせいで…

欲求を満足させること TRPGの目指す価値とは、言い換えれば、深層欲求を適切に制御することである。ゲームエンターテイメントとして、深層欲求を満たすことを目指しつつも、[非合理的不満]まで満たされるようにすることはできない。プレイヤーは常に[…

価値六相の診断 あるプレイヤーが、価値六相のうち、現在どの価値に比重を置いているのかを測定する心理学的ツールを作成することは可能である。当然、相手の心の状態など、完璧に測定することは不可能だが、セッション時のトラブルを避け、より満足度の高い…

自分の指向を知る 価値六相の利点は、自分のプレイングが目指している方向性を自覚できる点にある。これにより、同卓する参加者に自分の扱い方を説明することができる。GMや他のプレイヤーに診断されるよりも望ましい。自分で自分のことを説明できるので、…

各論:初心者対応のスタンスの違い 支配欲求起源のグループ、つまり[遊戯性][攻略性][役割性]のグループは、戦場に生きている。初心者に対しては「対等」なゲーマーとして扱うので、基本的に突き放した態度をとる。自分でルールブックを一通り読むのが…