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情報格差を利用した合流シーンのロールプレイ
『トーキョーN◎VA』なんかはロールプレイ重視のゲームだと思っているんですが、特にリサーチフェイズは何もロールプレイしないと味気ないセッションになってしまいます*1。
かっこいい洋画を見まくっている人なんかだと、気の利いたセリフが言えたり、かっこいい演出ができたりするんですけど、私みたいな凡人は、そんな上手くいかないので、システマチックな役割的プレイについて考察したいと思います。
情報の整理
トレーラー(今回予告)やハンドアウトからシナリオに登場するNPCや鍵となるアイテムの名前が判明するはずです。こられの情報を紙*2の上半分に書いておきます。
一方で紙の下半分には自分のハンドアウトに書かれている情報から判明する情報のみを書いておきます。
このように上側は「プレイヤーが知っている情報」、下側は「キャラクターが知っている情報」を整理しておく場所にします。
セッション中は、自分が登場していないシーンで判明した情報は上段に記入し、自分が登場しているシーンで判明した情報は下段に記入するようにします。
合流シーン
個別に動いていたPCどうしが合流するシーンでは、下段の関係図を上段の関係図に近づけるためにはキャラクターどうしが何を喋ればいいのかを考えながらロールプレイします。上の例では、PC(3)がPC(4)と合流する場合、「ミスター・ブラック」というキーワードで二人が繋がっていることはPL情報として知っているので、「ミスター・ブラック」という言葉を使って会話文を作文すればいいわけです。
ルーラー:レッガーの抗争を避けてバーはいつもより繁盛していた。どうやら相席じゃないと座れない感じだね。
カタナ「ちょいと、そこの席に座ってもいいかい?」
トーキー「ああ勿論さ! アンタみたいな別嬪さんなら大歓迎さ。」
カタナ「冗談はよしてくれ。」と言ってポーチから煙草を出します。
トーキー「おっと、僕が火を点けるよ。」と言って上着の胸ポケットからライターを出そうとするのですが、その弾みで、ミスター・ブラックに関する調査資料が机の上に出てしまいます。
カタナ「ん?」
トーキー「ああ、いやいや。失敬!」
カタナ(小声で)「アンタ、ミスター・ブラックについて調べているのかい?」
トーキー(シリアス声で)「へえ、何か知っているんだ。」
カタナ「そいつについては私も調査中ってとこだね。」
とまあ、こんな具合で、会話や演出の中に「ミスター・ブラック」というキーワードを潜り込ませる機会を窺いながら会話を進めていきます。もっとスピーディにやろうとすると「アンタ、トーキーだね。ミスター・ブラックについて知っているかい?」「お前も調べていたのか! 俺もちょうど調べていたところだ。」といった感じになります。
演出のせめぎ合い
合流シーンの展開においては、雰囲気を味わいたい勢と早いとこ合流しておきたい勢との間でちょっとしたせめぎ合いが起きます。後者は、前者がPC視点のロールプレイにのめり込んでしまい、セッションが停滞したりグダグダになったりすることを警戒しています。なので、ぶっつけ本番のアドリブ劇をするよりも、事前にどんな感じでシーンを着地させるかについて卓内で話し合っておくと変な空気になりにくいです(特にお互いの出方が読めないとき)。
カタナ:ここらでPC(4)と合流しておきたいんですが。
トーキー:じゃあ登場しましょう。
ルーラー:どんな感じのシーンにします?
カタナ:行き付けのバーとか、そんな感じで。ミスター・ブラックの事でアドレス交換したい。
トーキー:じゃあ二人がけの席とかで。二言三言、言葉を交わしたら、俺がミスター・ブラックの資料をぶち撒けるんで、拾っていただければ。
カタナ:じゃあ、そんな感じで。