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lib14's TRPG library

TRPGに関するメモや随想など

シナリオメイク AR2E

【AR2E】ダンジョンの演出と物語の例

■魔獣が封じられた迷宮

▽比較的新しい時代のもの

 村を襲った魔獣は、ある冒険者の手によって封印され、洞窟の入り口は封鎖されていた。ところが、1週間前まで降り続いた大嵐のせいで洞窟の入り口が姿を現してしまい、封印されていた魔獣の幼体が大量発生し、村人に危害を加えだした。洞窟の中で魔獣は生きていたのである。
遺跡:自然
背景知識:《ヒストリー》、《ネイチャーノウリッジ》

▽古い時代のもの

 水の時代の魔獣が封印された地下洞窟は、とある狂信者の手によって封印が解かれてしまった。事態を重く見た神殿は、その洞窟に冒険者を派遣することを決定した。
 かつては地下洞窟のような自然の地形だった場所だが、長年魔獣が住み着いたことにより、その性質が変化し、漆黒のクリスタルとヘドロのような物質が迷宮を構築し、魔法の罠のようなものが行く手を阻むダンジョンと成り代わってしまった。
遺跡:水の時代
背景知識:《マジックノウリッジ》、《モンスターロア》

■神具を奉ずる廃神殿

 森の奥深くにあるエルダナーンの樹上国家、その中央の巨大な樹は火の時代のはじまりから生き続けている。その幹の中心に冒険者4~5人が入れるくらいの不可思議な空間がある。資格を持つ者が現れると、その空間から神界のとある場所に転送されるのだという。かつて風の時代に魔族を滅ぼしたという強力な神具が封じられており、神の試練をクリアした者にのみ神具が預けられるのだという。
 神具は重要なものなので、魔族に奪われては困る。魔族と渡り合うだけの戦力と、邪な誘惑に負けない精神力が試される。
 アリアンロッドのリプレイには「リドルの妖精」というキャラクターが登場する。「シカって10回言って!」「シカ、シカ、シカ、……」「クリスマスにサンタクロースが乗るのは?」「トナカイ!」「はずれ、ソリでした!」みたいなクイズを出して冒険者の(というかプレイヤーの)知性を試す。正解すると人を小馬鹿にしたような口調で「素晴らしい叡智です!」と言うのがお約束となっている。
遺跡:風の時代
背景知識:《ミュトスノウリッジ》、《ゴッドノウリッジ》

■邪神教団のアジト

 人里離れた森や山に、あるいは大都市の地下に奴らのアジトはある。構成員から場所を聞き出し、アジトに進入すると、そこでは構成員と侵入者を選別する死のセキュリティが待ちかまえている。アジト内の構成員は徹底的に冒険者たちを撃退しようとするだろう。
 邪神教団が犯罪組織だとか、汚い手口で金儲けを企む商人だとか、邪な貴族なんかと裏で繋がっているというのは、よくある話である。アジト内に配備されている物資や罠は、こうしたパトロンたちの影響を強く受けることだろう。密輸されたゴーレム兵器だとか、製造が禁止されている“人を妖魔にするポーション”だとか、別の貴族の家から盗まれた魔獣を召喚する魔術書だとか、そういったものが冒険者たちの脅威となる。
 たいてい、こうした“怪しいパトロン”について調べ回っているうちに、邪神教団にたどり着くわけだが、邪神教団としては、もちろん、パトロンから供給された物資を有効活用するのである。
 冒険者たちはこうしたパトロンの屋敷の地下牢に閉じこめられるかも知れない。地下牢を脱出しようとすると、邪神教団が実験によって生み出したキマイラに食い殺されるといった具合になっている。たとえキマイラをうまくやり過ごしたとしても落とし穴に落ちて再び牢獄に閉じこめられるのである。こうした完璧な罠をくぐり抜けた強者は、邪神教団の構成員によって直接手を下され、邪神復活の生け贄にされる栄誉に預かれるというわけだ。
 邪神教団についての設定は特にない。犯罪組織として“竜の顎”が設定されているが、殺戮主義以外に目立った特徴はない。彼らの信念は破壊的で狂気に満ちており、反社会的である事が望ましい。彼らの信奉する七柱の邪神を象徴する言葉が嫉妬、猜疑、恐怖、憎悪、傲慢、虚栄、欲望である。どれか1柱の邪神を決めておき、そのキーワードを軸に邪神教団の性格を特徴づけておくとよい。ちなみに『DSG』で追加されたセルノーグのキーワードは腐敗である。
遺跡:火の時代
背景知識:《ヒストリー》、《バルムンクノウリッジ》

■秘宝の眠る地下遺跡

 フィルボルの地図屋が言うには、裏山の坑道に、地の時代の廃都に通ずる道があるらしい。妖魔たちの植民都市で、妖魔王に囚われたネヴァーフたちが隷従していた武器工場の跡があるという。錬金術によるセキュリティが厳重で、冒険者でない普通の人は中に入れないらしい。当たれば一攫千金、外れれば無駄骨である。地図屋は自信あり気に太鼓判を押すのであった。
 クライマックス戦のボスとしてはゴーレムを配置するのが定番だが、変化球のパターンとしては、遺跡の宝を狙っている妖魔(実は地図屋は妖魔が変装していて、罠を突破させるために冒険者を泳がせていた)であったり、遺跡を出た後で無理矢理アイテムを徴収しようとするマティアスであったりするかも知れない。このネタは神具の眠る遺跡についても使える。
遺跡:地の時代
背景知識:《アルケミーノウリッジ》、《アイデンティファイ》

■飛空挺

 空から墜落した小都市のような遺跡のような、巨大な構造体は人々の関心を呼んだ。神殿はその調査のために冒険者を募ることにした。勇気ある冒険者が構造体に近づこうとすると、セキュリティが作動したという報告がある。別の報告によれば見たことのない生物が襲いかかってきたとも。
 この謎の構造体は万能帆船(『超上級』P93)かも知れない。運命クラスに到達する冒険者向けの導入にちょうどよい。単に地の時代の飛空挺かも知れない。これにより冒険の舞台がいっきに広がりを見せるだろう。あるいは他の惑星から飛来した宇宙船かも知れない。もしそうだとすればキャンペーンは怒濤の展開を迎えることになるだろう。
遺跡:???
背景知識:《アルケミーノウリッジ》、《マジックノウリッジ》、《ミュトスノウリッジ》

■危険な自然

 迷子の坊やはどうやら森へ向かったらしい。獰猛な野生生物が多く、大人でも1人で入っていくことはない。そんな場所に子ども1人で向かったとしたら危険だ。腹を空かせた巨大熊や食人植物を相手にしながら、坊やの足取りを追っていかなければならない。
遺跡:自然
背景知識:《ネイチャーノウリッジ》

■妖魔の拠点

 妖魔退治はもはや定番のネタであるが、ダンジョンシナリオともなれば、砦、塔、地下神殿、館、滅ぼした村などがモチーフになる。砦や塔は軍事色の強い描写になるだろうし、地下神殿なら宗教色の強い描写に、館や村は生活色の強い描写になるだろう。

▽軍事拠点

 軍事色の強い描写は、人類v.s.妖魔の対立をテーマにしたようなシナリオに相応しい。いかに妖魔が凶悪で、それに立ち向かう冒険者は英雄であるかが強調される。冒険者は人類の代表として戦いに赴く。もしかするとPCの設定は冒険者ではなく、傭兵であったほうがいいかもしれない。ともかくボスは強大で、狡猾な罠よりは問答無用で数多の矢が飛んでくるようなダイナミックな罠が主流で、敵の数も多い方がそれらしい。
遺跡:火の時代、地の時代
背景知識:《ヒストリー》、《アルケミーノウリッジ》、《イービルノウリッジ》

▽宗教拠点

 宗教色の強い描写は、邪神の呪い(小麦の不作、村人が豚になる、王女がカエルになる、夜があけないなど)や、邪神あるいは上位魔族の復活に関するシナリオに相応しい。シナリオ冒頭では、謎、怪しいもの、不確かなものを振りまいておき、ダンジョンの攻略とともに徐々にその謎が解明されてゆくように設定しておく。元凶となる妖魔を倒すだけではダメで、呪詛の解除方法を見つけ出し、解除をしなければシナリオクリアにならない。このため、冒険者たちは積極的に部屋の探索を行なわなければならない。つまり、トラップに引っかかる可能性が増すというわけだ。
遺跡:火の時代、風の時代、水の時代
背景知識:《マジックノウリッジ》、《ミュトスノウリッジ》、《イービルノウリッジ》

▽生活拠点

 生活色の強い描写は、妖魔の姿をコミカルに描き出すことが可能だ。奴隷にされた村人を救い出す、妖魔の圧政から村を救い出すといった重たいテーマのシナリオにも対応している。軍事描写と違い、「人類」という大きなものを背負ってはいないが、具体的に誰かを救ったり、何かを取り戻したりするような、地に足の着いた英雄的なシナリオに向いている。館、村、洞穴を改造して作られたねぐらなどが生活色の強い描写の代表例である。
遺跡:火の時代
背景知識:さまざま

▽非妖魔への応用

 妖魔の拠点の発想は、非妖魔種族にも応用できる。その代表格がギルマンだろう。ギルマンは知性があり、社会を築いており、人間と対立しているという点で妖魔と似た性質を持っている。彼らは島や海辺の洞窟などに拠点を築いている。中には錬金術で制御された軍事拠点をもっているようなギルマンの一味もいる。
 人間のアジトも似たようなものなので応用可能だろう。敵国なら軍事拠点、邪教団なら宗教拠点、山賊なら生活拠点が当てはまりそうだ。
遺跡:さまざま
背景知識:《アニマルノウリッジ》、《バルムンクノウリッジ》

■幻想的なシチュエーション

▽巨大な世界

 シロの花が咲く頃に、霧のかかった川辺に近づいてはいけない。そんな言い伝えを無視する理由が冒険者たちにはあった。霧のかかった川辺に咲くシロの花は薬の原材料になるからだ。これを届けなければ王妃の命はない。
 スイレンの見事な桟橋の景色を臨むと、周囲のスイレンが巨大になってゆくのが見て取れた。いや、スイレンだけでなく、石ころや桟橋も巨大になってゆく。違う、そうではない。冒険者たちが、魔女の呪いとやらで、小さくなってしまったのだ。川辺の湿原のようなスイレンの“森”に住む巨大な昆虫たちは冒険者たちをエサか何かだと勘違いして待ちかまえている。昆虫を撃退して先へ進むと、冒険者たちは巨大な少女の姿を見る。「ねえ、お兄ちゃんたち、私と遊ぼうよ」。魔女の正体は川遊びで命を落とした少女の亡霊だった。
遺跡:自然
背景知識:《ミュトスノウリッジ》

▽湖底ダンジョン

 ドーマの魔術書を読み上げると湖に空気のトンネルが出現した。湖の底に、文字通り、歩いて進むことができそうだ。湖の魚たちがキラキラと舞い、まるでアクアリウムの世界のようだ。
ところが湖の獰猛な魔獣は黙っていなかった。湖底に至ると、奴らは集団で襲い、空気のトンネルから冒険者たちを引きはがそうとする。
遺跡:自然
背景知識:《マジックノウリッジ》

▽本の世界

 中で何が起きるか分かりません。私は外で結界を張ります。2時間してあなたたちが戻らなければこの部屋を完全に封印します。
王立図書館、開かずの第13閉架書庫に立ち入ることを許された冒険者たちを見送る司書が不安そうに告げた。冒険者たちが中に入ると、まるでセンサー感知したかのように燭台の火が灯る。狭く薄暗い部屋には本棚が並んでいるが、不思議と一切ほこりがたまっていなかった。
メイジの制止を振り切って、シーフの少年は我慢できずに本を開く。冒険者たちは一瞬目が眩んだかと思うと、目の前には長身の男が立っていた。皆が驚いたのは彼が伝承にある英雄王の姿と一致していたからだ。
英雄王についていくと、戦場の光景が広がる。書庫の中を歩いているのに、かなり長い距離を歩いているかのように錯覚してしまう。戦場から妖魔が飛び出してきた。紛うことなく実体のある妖魔だ。周囲には確かに本棚が並んでいるのだが、まるで戦場のような感覚だ。妖魔を撃退すると、再び英雄王が現れ、冒険者たちを奥へと誘う。
遺跡:火の時代
背景知識:《ヒストリー》