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TRPGに関するメモや随想など

深層欲求が満たされない場合の問題行動

 深層欲求が満たされない場合、セッションを退屈に感じるだろう。依頼人から感謝の言葉がなかったり、報酬を出し渋られたりすると脱力感を覚える。結果を出したにもかかわらず評価されないからだ。あるいは、PCが名前で呼ばれなかったり、ダイスを振る機会が与えられなかったりすると疎外感を覚える。助言が多すぎたり、不確実性がなかったりすると、夢もロマンもなくなってしまう。
 支配欲求が満たせなかったプレイヤーは、GM裁定に対して文句を言い続ける、NPCに対して暴言を吐くなどの問題行動を起こしやすい。また慢性的に支配欲求が満たせない状態が続くと、プレイングの目的がシナリオ崩壊や度を超した口プロレスによる場の支配にすり替わってしまう。
 承認欲求が満たせなかったプレイヤーは、セッション中に寝る、自慢話を切り出す、スマホを弄るなどの問題行動を起こしやすい。また慢性的に承認欲求が満たせない状態が続くと、自分の殻に閉じこもったキャラクターを作ったり、GMやセッション時間を独占したりするようになる。またセッションに関係のない雑談も増える。
 成長欲求が満たせなかったプレイヤーは、他のプレイヤーに役割を押しつけたり、ミッションに失敗したことを、適切にバランスをとらなかったGMのせいにしたりする。また慢性的に成長欲求が満たされない状態が続くと、持論を譲らない頑ななプレイヤーになってしまうか、自分のPCに独自の「縛り」を設けて、相談なくパーティに不利な行動をとるなど、他のプレイヤーを巻き込むようなプレイングに走ることがある。
 プレイヤーの欲求を満たせないシナリオ、言い換えれば、プレイヤーの期待に添えないシナリオは、プレイヤーの問題行動を誘発するという点において、良くないシナリオである。プレイヤーの期待に添うというのは、プレイヤーの読み通りであることとは違う。「期待は裏切るな、予想を裏切れ」である。
 プレイヤーの欲求を満たせないことのもう1つの問題点は、間違ったプレイングを学習させてしまう点にある。間違ったプレイングを学習したプレイヤーは、欲求が満たされない屈折した気持ちを他の卓に持ち込もうとする。ここでいう「間違ったプレイング」とは、単に(その場にいる)同卓者を不快にさせるプレイングのことを指している。「問題行動」と同義である。