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TRPGに関するメモや随想など

シナリオづくりシートの活用

 プリントオンデマンド版のサービス開始によって、永らく入手困難だった『りゅうたま』の紙ルールブックが手に入れやすくなりました。しかも価格はJIVE版よりも廉価です*1

 久々にJAVE版の「帯」を発見してみると、こんなことが書いてありました。

プレイヤーは「旅人」に、
ゲームマスターは「竜人」に
4つのGM用キャラクター種族&3つのシナリオづくりシートで
初心者GMも楽しくゲームに参加できます!

……思えば、シナリオづくりシートは、シナリオをつくるのに便利なツールで、ちょっと工夫すれば別のシステムでも応用できる優れた雛形なんですね。ルールブックp.116, 117に基本的な事が書かれているので、そこは読み終わっていることを前提にして、個人的な意見を書いていきたいと思います。

ガイドライン補足

  • ルールブックをざっと読む

 付箋を貼っておくべきページは、りゅうたまの心得が参考になる。

  • 仲間を集めてサンプルシナリオを遊ぶ

 仲間が集まりにくいとか、サンプルシナリオは遊び尽くされている*2とかで「サンプルシナリオを遊ぶ」ことがやりにくいと感じている人もいるはず。リプレイとか動画とかを見て、流れを把握してみるというのも手ですね。

  • やってみたいシナリオのネタを集める

 『りゅうたま』は特定の世界設定がないRPGと思われがちですが、旅するための特定のワールドマップが存在しないだけです。魔法、アイテム、モンスターなど、極めてユニークな世界設定があります。特にモンスターについては、p.117の「出現モンスターの強さの目安」を参考にしながら、作ろうとしているシナリオの対象としているPCのLVに合ったモンスターを選び、そいつの「解説」を読むことでシナリオのヒントになります。そのモンスターと戦う場合、PCたちは何故戦うのか、理由を考えます。モンスターが悪さをしているのなら「討伐シナリオ」になるでしょうし、そのモンスターから稀少な食品や薬品の材料が採取できるなら「探索シナリオ」になるでしょう。単に、旅の道中で襲われるだけなのかも知れません。

  • やりたいシチュエーションを聞く

 『りゅうたま』にはプレイヤーからのフィードバックを回収するためのルールがあります。「街づくり」では、GMも含めた参加者全員で街の設定について話し合います。「街づくり」は単に街を作って終わりではなく、冒険の舞台・物語の舞台を作ることに他なりません。ですからプレイヤーはなるべく自分のPCが活躍できるような舞台になるように仕向けた方がセッションが楽しくなるはずです。あるいは、他のPCやNPCに対する「こういう活躍をして欲しい」という願望を、街づくりを通して伝えることができます。つまり「街づくり」におけるプレイヤーの発言には潜在的にプレイヤーの要望が含まれているとみることができるのです。ただし、要望の全てを受け入れるのは難しいでしょう。「旅日誌」からもプレイヤーのニーズを読み解くことができます。好意的に書かれているシチュエーションは、だいたい、プレイヤーにとっても好みのシチュエーションであるはずです。

シナリオ構成シート

 慣れてくればシナリオ構成シートだけでセッションは回せます。シナリオ構成シートに少し工夫を加えて、メイン・イベントとサブ・イベントの間あたりにもう一本縦線を引いて、「地形+天候」という項目を作ります。こうすると、だいたいどの辺りでどの地形と天候がPCたちを襲うのかが分かるわけです。街で受けられるサービス〔天気予報〕などをPCが利用した場合でもすぐに参照できます。

シナリオ目的シート

 重要なのは「PCが~~したくなる動機・理由」という部分です。

イベントシート

 個々のイベントについてこだわって作りたい時に利用するシート。例えば全てのイベントについて書かなくても、「クライマックスのイベントだけ書く」とか「竜人と出会うシーンは本気で描写したい」といった感じで、肝心な部分だけ活用するのも手です。

*1:印刷の質はJIVE版と比べて落ちますが、ペーパーバックで紙が厚くないので、JIVE版よりもやや持ち運びに便利です。

*2:僕も4回ぐらい遊んでいますが、問題ありません。