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AR2Eサプリまとめ(最新版)
この記事はAR2E(アリアンロッド2E)のサプリのまとめ記事です。
たくさん出版されている中で初心者は何を買うべきか、どのサプリに何が載っているのか、昔から遊んでいるプレイヤーはどういう流れで各サプリを捉えているのか(私見あり)を、まるっと解説する記事です。
以前の記事は『パーフェクト・スキルガイド』の宣伝の意図がありましたが、こちら完全に解説用ですので、サプリが発売されたら適宜、内容を書き換える予定でいます。
■初心者は何を買うべきか
この文庫版の2冊が基本ルールです。もっと言うと『R1』*1のみでもOKですが、そんなに高くはないので『R2』も買っておくといいと思います。お試しで遊ぶ程度なら「スタートセット」*2という選択肢があります。
また旧『上級ルールブック』*3収録のプレイングガイドはPDFで無料閲覧可能です*4。
※必ず改訂版の方を購入して下さい。改訂前のルールブックや、旧版(2Eじゃない方)のルールブックは購入しないようにして下さい。
あなたがGMをする場合は、GM向けのサンプルシナリオに「妖魔の砦」「霧の魔獣」があります。公式のサンプルシナリオですが(なので)、割とボスが強めなので注意して下さい。
■現行のレギュレーション
もしあなたが(1)基本ルール2冊だけではスキルやアイテムが足りないと感じたり、(2)データを眺めてキャラを構築するのが大好きだったりした場合、追加でサプリを導入したくなると思います。しかし、全てのサプリが使えるというわけではありません。各卓のGMが定めるレギュレーションに従う必要があります(『R2』すら使わない卓もありえる)。
また以前の記事でも説明していますが、古いサプリのデータは全く使い物にならないので、基本的には一般的なオンセ募集では現行のレギュレーションに当てはまるサプリメントが選ばれるはずです*7。
サプリメント | 略称 | 重要度 |
---|---|---|
ルールブック①改訂版 | R1 | ★必須!! |
ルールブック②改訂版 | R2 | ★最高! |
パーフェクト・スキルガイド | PSG | ◆高 |
パーフェクト・アイテムガイド | PIG | ◆高 |
パーフェクト・エネミーガイド | PEG | ○低 |
パーフェクト・ワールドガイド | PWG | ○低 |
エクスパンションブック | EXB | ●中 |
ストレンジャーガイド | STG | ○低 |
レガシーデータブック | LDB | ○低 |
現行レギュレーションでは通常、プレイヤーはこれら9冊の本が使用できるものと考えます。レギュレーションに「全部OK」と書いてある場合、これら9冊についてはOKとみなしてよいはずです。実質的には重要度の高い4冊があれば、ほとんどの卓に対応できるはずです。
図は2019年9月の時点での『アリアンロッド2E』のサプリです(リプレイやシナリオなどは除く)。図中の世代分けはざっくりとした区分ですが*8、ひとまず赤色で示したサプリは古いため買う必要のないサプリです。青色の第三世代が現行のデータで、特に黒枠で括ったサプリは旧世代のデータを引き継いでいるので、「お得」なサプリというわけです。
パーフェクト系
『PSG』はCL10以降の上級クラスやCL20以降の運命クラスなどが載っています。『PIG』はCL11~40までのアイテムも載っています。どちらも高レベルで遊ぶ場合は必須になるほか、基本ルールに載っていた各クラスの追加スキルや、低レベル帯の追加アイテム、「地域クラス」と呼ばれるサポートクラスの選択肢を増やすデータも豊富です*9。値は張りますが、この2冊があれば、かなり深いところまで『AR2E』を堪能できます。以前の記事に詳しく書いた通り、アリアンロッド12年分の歴史がこの2冊には詰め込まれています*10。
【2019.09追記】なお『パーフェクト・エネミーガイド』はGM用のサプリなので、プレイヤーはひとまず買う必要はありません。【2020.03追記】『パーフェクト・ワールドガイド』も特殊な追加データしか載っていないのでひとまず買う必要はありません。
エクスパンションブック
『EXB』はオンセで使われる率が高いであろう「スクウェアルール」という1マス5m単位で位置関係(エンゲージ関係)を整理するルールや、ダンジョン探索関連のスポットルールが掲載されています*11。それからプレイヤーが使える「妖魔種族」のうち3種類(ホーカスポーカス、ジェルボア、ドゥームガード)が追加されています。
また「誓約」という一般スキルのすごい版みたいな能力を獲得できる追加ルールもあります(ただしあなたのGMは禁止するかも知れません)。必要成長点は高めですが、”誓約”と引き替えに割と良いメリットが得られます。キャラ付けにもなります。
あと、GM向けのデータとして、トラップの一覧があります。【追記】エリンディル西方の幾つかの街の紹介も載っています。
■通常レギュレーションに含まれないけど、一応使えるデータ
サプリメント | 使えそうなデータ | ダメそうな理由 |
---|---|---|
ファンブック カインド・オブ・マジック | アイテムのゴーレム | おまけデータ |
SSSvol.1 妖魔と戦車とアーシアン | アイテム、一般スキル | おまけデータ |
SSSvol.2 三下女神と異世界冒険 | アイテム | おまけデータ |
SSSvol.3 深緑の来寇者 | サイバーオーガン用装備、アイテム | おまけデータ |
パーフェクト・ワールドガイド | ローカルデータ | ローカルデータ |
ディスカバリーガイド | カッカル・ティルミリィ マジックアイテム | ローカルデータ |
SSSvol.4 破邪の軌跡 | 追加アイテム8つ | おまけデータ |
ローカルデータ
『パーフェクト・ワールドガイド』、『レガシーデータブック』P68, 73掲載のローカルデータは独自性が強いため、一般的なレギュレーションとして考慮に入れられないことも多いのではないかと思われます(私見)。
おまけデータ
『GF別冊』や『SSS(スーパー・シナリオ・サポート)』、あるいは『ファンブック』は富士見書房(KADOKAWA)から出版された書籍ではありません*12。これらは「追加データ」が主力商品ではなく、プレイヤー向けの本ではないため、所持している人がそもそも少ないことが予想されます。一応、使用可能なデータですが、出版元も異なり、判型も明らかに他のサプリと異なるため、除外されがちです。
なお、富士見書房(KADOKAWA)から出版された『リプレイ・エスピオナージ』、『リプレイ・フォーリナーズ』のおまけデータは『PSG』と『PIG』に再掲されています。
■GMは何を買うべきか
GMは重要度の高い4冊(『R1』、『R2』、『PSG』、『PIG』)に加え、『パーフェクト・エネミーガイド』を手に入れることをオススメします(特にシナリオを自作する場合)。また『エクスパンションブック』も、探索関連のルールやトラップデータを参照する目的で持っていた方がよいでしょう(持っていなくても対応できます)。『STG』や『LDB』の採用はあなたが決めればよいのです。『パーフェクト・ワールドガイド』は背景世界の設定が載っているのでシナリオを考える際に参考にすることができます。
■パーフェクト・ワールドガイドについて
いわゆるワールドガイドの初出は、旧版の『アリアンロッド』時代に『トラベルガイド』として出版されたものに遡ることができます。旧版の初期の頃はゲームシリーズの展開として、今よりも「ダンジョン」を強調した感じになっていて、『トラベルガイド』では街の設定や、その周囲にある自然/人工のダンジョン、不可思議な地形、伝承話などが盛り込まれていて、GMがシナリオを作る際のネタ本としてエリンディル西方世界のことが網羅的に掲載されていました。その後、アルディオン地域が追加され、『アルディオン大陸ガイド』、『アルディオン・トラベルガイド』、『タクティクスガイド』が出版されます。また西方の伝承話に特化した『レジェンドガイド』や東方世界が初登場する『東方ガイド』も出版されました。
『アリアンロッド』シリーズはの物語に関する設定はリプレイ*13と共に発展してきた歴史があり、個性的なNPCや特殊な設定で行うキャンペーンのためのデータなどが「過去の遺産」として数多く蓄積されています。特に2008年~2014年頃までは「アリアンロッド・サガ」シリーズという、アルディオン大陸を舞台にしたリプレイやファンブックが数多く出版され、関連したワールドガイドも「2E」と合わせて5点ほど出版されました*14。
リプレイは商品の性質上、「ダンジョン」を舞台にした一般的な冒険よりも、キャラクター(ドラマ)に焦点を当てた物語が展開されがちで、自ずと、そういう方向のシナリオを作る上で役立つ背景設定が膨らむことになりました。『アリアンロッド』を遊んでいるプレイヤーの、リプレイの主人公たちのような(特殊な)冒険をしてみたいという要望を実現するための特殊なデータが幾つか生み出されることになりました。『パーフェクト・ワールドガイド』に載っているローカルデータの一部はこの需要に応えるためのデータです。
『パーフェクト・ワールドガイド』は基本的には「2E」以降のワールドガイド関係の話が再編集された本です*15。なので例えばエリンディル西方の神聖ヴァンスター帝国を例に挙げると、『西方ガイド(2E)』掲載のヴァンスターやドゥルガーラは載っていますが、『トラベルガイド(1E)』掲載のラクレールやアルフィオレは載っていません。また網羅性は高いですが、細部までは"パーフェクト"というわけではありません。オーカーであれば『ストレンジャーガイド』の方が、ハンマーヴィルではれば『パーフェクト・アイテムガイド』の方が、ヒルベニアであれば『レガシーデータブック』の方が詳しいです。
『パーフェクト・ワールドガイド』では、トラベルガイドの系譜(ダンジョンを舞台に一般的な冒険をしよう!)と、リプレイの系譜(特殊設定のPCたちで自分たちのオリジナルキャンペーンを遊ぼう!)が混在しています。リプレイの舞台となった地域とそうでない地域があり、平等に紙幅が割かれていないのはこのためです。
*1:この『R1』とか『R2』というのはルールブックやサプリメントの略称です。書名を全部書くと長いので、公式の略称が存在しています。この解説記事では書籍であることを表すために略称であっても『』を使って表記します。一方Web上のPDF等で閲覧できるデータは「」で表記します。
*2:そもそも「スタートセット①(PDF)」と「スタートセット②(PDF)」があれば、最低限のルール処理で困ることはありません。ただし『R1』には更に詳しいルールや世界観についての記載があります。
*3:『上級』は基本的に買うべきではないサプリです。古いデータしか載っていません。
*5:『R1』ではキャラクターを自作するルールと、7つの種族、4つの基本クラス、5つのサポートクラス(アルケミスト、サムライ、セージ、バード、レンジャー)が掲載されています。またレベル1~4までに対応した装備品やアイテムのデータ、GMが利用するエネミーのデータも載っているので、オーソドックスなダンジョン探索など、CL4までの冒険に耐えられます。
*6:『R2』では追加で5つのサポートクラス(ガンスリンガー、サモナー、ダンサー、ニンジャ、モンク)が掲載されていて、レベル5~10までに対応した装備品もあります。また種族スキル、一般スキル、アイテム(馬などの乗騎や騎乗のためのルールも)、それからGMが利用するエネミーデータの追加分も載っています。加えて、ハンドアウトを使って物語性を強調したセッション進行(クエスト形式)や、FS判定、明度のルールも追加されています。これらは「いつもの探索と戦闘を繰り返すだけのシナリオ」に良い変化をもたらしてくれます。
*7:プレインググループ内で昔から継続的にキャンペーンをやってきている卓では、古いサプリを使ったレギュレーションになっているかも知れません。……ほとんど稀なことだとは思いますが。当然、古いサプリは流通していないので、中古市場をあたる必要があります。
*8:『ディスカバリーガイド』収録のエネミーデータは『エネミーガイド』には収録されていないが、『パーフェクト・エネミーガイド』には収録されているなど、矢印の関係が厳密に正確というわけではありません。詳細はこちらで語っています。
*9:基本ルールブックで言及されている「エリンディル大陸西方」は「地域」の1つと考えられます。例えばあながたエリンディル西方出身の冒険者の場合、通常のサポートクラスの他に、「バイキング」「グラディエーター」「シャーマン」「ドルイド」「ヒーラー」という特別なサポートクラスを選択できるようになります(特別に強いわけではありませんが、個性的なキャラクターにすることができます)。この特別なサポートクラスを地域クラスと呼ぶわけです。『PSG』には全部で5つの「地域」が紹介されています。またアイテムについてもエリアデータが存在します。
*10:『EXB』『STG』『LDB』の追加種族・追加クラスはパーフェクト系には収録されていません。
*11:スクウェアルール自体は難しくないので、GMからやり方を聞けば問題なく処理できるはずです。それでも遮蔽や警戒行動などのルールも掲載されているので、ガチで探索をやる卓では必要に感じると思います。
*12:『ファンブック』はエンターブレインなので、現在はKADOKAWAになっています。
*13:リプレイとは、動画やLIVE配信がなかった時代に盛んだった、TRPGを遊んでいる様子を伝えるための書籍のこと。2010年代の後半ぐらいから出版点数は劇的に低迷しているが、『アリアンロッド』及び『アリアンロッド2E』では全盛期は声優さんがリプレイに参加するなどして、リプレイの舞台やキャラクターたちが人気を博した。
*14:前述の3点に加えて『アルディオン・レボリューションガイド』と『サガ・クロニクル』
*15:時系列的には『トラベルガイド』の9年後、『西方ガイド』などから4年後の世界情勢について言及されてる。