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lib14's TRPG library

TRPGに関するメモや随想など

遊戯性

 TRPGというのは自由な遊びである。キャラクターを通じてゲーム世界に影響を与え、その場を面白くしていきたいという気持ちが根本にある。我々は悪戯者で、出しゃばりで、エンターテイナーである。PCの行動によってゲームが、物語が変化していく様子を観察するのが愉快なのである。
 我々はGMの思惑通りに事態が進展してゆくことを好ましく思わない。GMを一人のプレイヤーの座に引きずり下ろし、一緒になってゲームを楽しんで欲しいのだ。だからGMの考えていることを予想し、裏をかいて、GMをあっと驚かせようとする。その驚きの表情を見ることがたまらなく楽しい。「しめしめ、してやったり」というわけだ。
 我々は行動に対して結果を求める。宝箱を開けるのは、アイテムを手に入れても嬉しいし、罠にかかっても面白いからだ。だから最悪なのは、宝箱に何もなかったというオチである。「何もないんかい!」とツッコミを入れて場を和ませるぐらいしかやることがない。
 慎重になりすぎて事態が進展しないことをもどかしく思うし、失敗したら失敗したで、それを面白可笑しく受け入れればいいんじゃないかと思う。真剣に楽しむことと、堅く考えることは違う。TRPGのプレイングに「~~しなければならない」ということはないと思う。自分が楽しいから遊ぶのであって、その楽しさを互いに分け合ったら更に楽しくなるはずだ。誤解や思いこみのせいで自由なプレイングを抑圧することは誰のためにもならない。知恵と工夫によって状況を打破するのは良いプレイングである。
 我々が重視するのは頭の良い悪いでもなければ、ロールプレイの巧拙でもない。常識が分かっているかどうかでもない。TRPGを真剣に面白いものにしていこうとする情熱なのだ。私のアプローチに対して、相手がどれだけ真摯に受け止めてくれたかが重要なのだ。
 場を引っかき回したり、他のPCにちょっかいを出したりするのが好きだが、それらは全てゲームを通じたコミュニケーションだ。プレイヤーとして受け答えしようが、PCとして受け答えしようが、どちらでもよい。大事なのは受け答えがあることなのだ。
 正しくやりたいと思っているプレイヤー、正解を選びたいと思っているプレイヤーは、間違ってはいない。けれど、そのせいで楽しくやれないのなら間違っている。TRPGに正解なんてない。我々が選んだ答えが常に正解なのだ。なぜなら我々はその一瞬その一瞬を楽しんでいると自信をもって言えるからである。イカすGMなら、うまく帳尻を合わせて我々の出した答えを評価してセッションに反映させてくれるはずだ(ダイス目を誤魔化すということではない、念のため)。
 我々はGMから一方的に楽しませてもらおうとは思っていない。楽しみは自分で見つけるものだし、GMに提案することだってする。とはいえ、GMが面白いことを提案してきたらノリノリでそれに乗っかるという態度も忘れてはいない(もっと面白くしてやろうとは思うが)。
 我々のことをマナーの悪い連中だと考える人もいるだろう。確かにノリと勢いを重視して、他のプレイヤーを置いてけぼりにしてしまうのは良くない。それからルールを拡大解釈して自分の都合のいいように受け止めるのもやり過ぎだ。「グレーならば、ブラックではない」というスタンスが、真剣勝負を楽しんでいる人の不興を買うこともあるだろう。倫理的な我々は、もちろん他のプレイヤーに嫌な思いをさせたくないし、対応できないGMに無理矢理アドリブを求めたりもしない。けれど、周りに歩調は合わせるが、こっちの世界に来て欲しいと心の底では思っている。
倫理的な我々は合理的な理由でシナリオを崩壊させることはあっても、セッション崩壊を目論むような事はしない。GMが用意してきた素材、他のプレイヤーが用意してきた素材は、活かしてあげないと勿体ないではないか。