lib14's TRPG library

TRPGに関するメモや随想など

要約・忙しい人のための馬場講座

本稿について

本稿では「馬場秀和のマスターリング講座」のエッセンスを要約する。豊富な具体例などは省いて、要点のみをまとめる。今の時代に合わない表現などは省いているし、要約者(私)が言葉を補って要約している部分も多いので、詳しく知りたい方は原文を読んで欲しい。なお、この記事に関しては常体で書くことにする。

馬場のマスターリング講座の対象者

 「馬場のマスターリング講座」(以降、馬場講座)は初心者GMがマスターリングの具体的な方法論を学ぶための教科書ではない。よく誤解されるが誤りである。馬場講座は中級者GMがより良いTRPGライフを送るための精神論が書かれている啓蒙書である。
 TRPG歴が数ヶ月~10年未満で、「そろそろTRPGに飽きた」とか「何か最近、面白いと感じなくなったなあ」とか「マスターリングが上手くいかないんだよな」と思っている人が、頭の中を整理するのに適したテキストである。

GMはこうあるべき(要約・意訳含む)

 何が正しいのかちゃんと自分の頭で考えろ
 うまくいかなかったら振り返って評価・分析・改善しろ
 できるだけ多くのシステムを経験しろ(少なくともPLで)
古今東西あらゆるエンターティメント作品に可能な限り幅広く接しろ
 ルールブックをちゃんと読め(世界設定も含めて)
 プレイヤーがやりたがっている事を知るためによく相談しろ
 そのシナリオ、そのシステムのどこが面白いのかをちゃんと自覚しろ
 英語苦手とか言っている場合か、洋ゲーもやれ、視野を広く持て
 オリジナルストーリーとか、オリジナル世界設定とか、恥ずかしいからやめてくれ
 TRPGのゲーム性は、PCをコマとして扱うようなシミュレーションゲームと違う
 TRPGのロールプレイは、キャラになりきって好き勝手騒ぐ事じゃない

馬場の思想

 馬場講座はTRPGの出版点数が冷え込んでいた時期に書かれたもので、馬場の思想の根底には「日本のTRPG業界を何とか再建させたい」という思いがあった。その使命感から、TRPG人口を増やすために、途中でやめていくユーザ数を減らす必要があると考えた馬場は、中級者ユーザへの啓蒙を思い立った(新規参入ユーザを増やすという戦略を彼はとらなかった)。
 馬場は、スポーツが汗をかくから楽しいように、TRPGも上達に向けて努力するから楽しいのだと説く。そう言うと如何にもストイックでお堅い印象を受けるかもしれないが、馬場がイメージしているのは、もっと好奇心旺盛で、何にでも興味を示し、積極的で、自分が「イイ!」と思った事に対して正直な、気の良いベテランプレイヤーである。そういう探求心があって、良いものをトコトン追求していこうという姿勢を持たないと、TRPGは長続きしないのだと言っている。
 第一章と第二章では、自らのTRPG経験に基づき、馬場自身が正しいと自信を持っている基準に基づいてTRPGシステムやシナリオを評価する方法を具体的に述べている。馬場によれば、当時TRPGは「何をやっても自由」と喧伝されることが多かったとされる。それに対して「正しい/間違っているの分別がある」と大見得を切って主張するのはインパクトがあった事だろう。
 大胆不敵、自信過剰、当時のTRPG界の抱える問題の原因に対して首尾一貫して攻撃的な態度をとったことは、彼の信奉者にとって狂信的魅力を放っただけでなく、彼の批判者に対しても彼に釘付けにさせる原因になったことだろう。ともかく馬場は議論すべき議題を設定し、人々に問題意識を植え付けることに関心を持っていた。馬場の目的は、馬場の信奉者を増やすことなどではなく、人々を「TRPGとは何か」という哲学を思索する哲学者に仕立て上げることなのである。そのためにまずは、自らが強烈な思想をぶつけたに過ぎない。

上達とは

1. ゲームマスターから与えられた目標達成に近づくこと
2. PCに期待された役割分担をきちんとこなすこと
3. PCの言動が背景世界設定やキャラクター属性と整合していること
4. ゲームジャンルや狙いの再現に向かうこと

■システム選択の基準
1. 方向性(ヒーロー指向と疑似体験指向、違う指向性を持ったPLを集めるな)
2. 役割分担(役割意識の薄い初心者が相手ならクラスシステムのあるRPGを選べ)
3. 背景世界(詳しくは後述)
4. ジャンル(大した問題じゃないから苦手意識を持つことはない)
 ここでいう背景世界とは雰囲気や演出のことではない。意思決定のための選択肢を予め絞り込むための情報(例:ファンタジー世界の住人はパソコンが使えない)である。ボドゲではルールで規定されているが、TRPGでは背景世界で大雑把に規定される。優れた背景世界は、PLの意思決定をどれだけ支援できるかで評価される。

シナリオ作成

 シナリオとはストーリーではない。シナリオ作成とはゲームデザインである。シナリオはストーリーとデータを軸に作成するものではなく、目標と障害を軸にするものである。目標を設定する際、シナリオのいわゆる「依頼」だけでなく、馬場は、PCの動機やPLのやりたい事を踏まえて、シナリオを考えることを示唆している(「踏まえて」というのは必ずしも依頼と動機を合致させるという意味ではない。意図的に矛盾を楽しむセッションハンドリングもあるだろう)。
PLが目標に基づいて自らの意思で決断した結果がきちんと反映されなければゲームとは言えない。ゲームの本質は意思決定なので、PLの意思決定を束縛したり、意思決定の機会を与えなかったりしてはならない。そういうことだから、シナリオの骨格づくりのためにストーリーを借用するが、作成の過程で借用したストーリーは捨て去って、ゲーム要素のみを抽出する。
借用するストーリーは名作、代表作と呼ばれるような娯楽作品にすること。芸術作品、文芸作品、GMが考えたオリジナルストーリーでは良いシナリオができない。
 目標達成を難しくするための障害、意思決定を複雑にするための資源管理、意思決定を適切に行わせるための情報はシナリオに必要な要素である。
 シナリオ作成の手順は以下の通りである。
1. 基本ストーリーの作成(ゲーム要素を考えるための足がかりとして利用するだけ)
2. ゲーム要素の明確化(基本ストーリーからゲーム要素を抽出する)
3. シナリオの構造化(シーンの定義。基本ストーリーは解体される)
4. データや設定の準備(セッションを進める上で必要な情報を用意する)
5. ゲームバランスの調整
 

望ましい初心者対応

 初心者を見下した態度をとるな
 初心者を特別扱いするな
 礼儀正しくあれ
 演技やノリを強制するな
 役割分担を明確に

TRPGの発展にとって誤った有害な考え方をする人の特徴

1. 本や雑誌に書かれていた見解を、無批判に(自分の頭で考えずに)ただ繰り返しているだけの愚かな人
2. 自分のやり方、自分の好みを主張するだけで、何ら「自分の主張には客観的な正当性があるか」「自分の主張は、RPGの発展に寄与する有意義なものであるか」という内省を行わない無責任な人
3. 特定のRPG、特定傾向のRPGしか知らず、そこでの経験だけに基づいてRPGの一般論を主張する視野の狭い人。
4. 単に他人の意見にケチをつけるのが好きなだけで、何ら建設的な議論をする気がない幼児的な人。
5. 読解力、理解力、表現力のいずれか、あるいはその全てに致命的な欠陥があり、そもそも他人との議論や意見交換に向いてない人。

チャットパレットの使い方

どどんとふにはチャットパレットという機能があります。
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命中判定、ダメージロール……。どどんとふを使ってダイスを振る時、ダイス数や修正値を入力するのにモタモタする事ってありませんか?

ええっと、命中って【器用】だっけ。あそうか、武器の修正が入って下がるんだっけ。え? スキルで増えてる? あ、本当だ。じゃあこの《アームズマスタリー》ってのでダイス1個振ればいいんだね。え? あそうか。基本が2Dだから3Dだ。それから……

とまあ、こんな具合にモタモタしちゃう。
そうすると、卓を囲んだ他の皆さんに申し訳ない感がでちゃってセッションが楽しめなくなりますよね。そこで「チャットパレットがあるよ」って、教えられたけど、どう使って良いか分からない、という人のために解説します。

実際に公式などのどどんとふ(お試しルーム)にログインしながら確かめてみてください。

チャットパレットの用途

チャットパレットは、命中判定、ダメージロール、回避判定、トラップ探知、スキルの宣言、決めゼリフなどを登録して、タイピング抜きで、2秒で発言したいときに使用します。

チャットパレットの導入

画面に表示されていない場合は、どどんとふ画面左上の 表示>>ウィンドウ>>チャットパレット表示 にチェックを入れます(既に表示されている場合は不要です)。
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そうしたら、編集を押してください。
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宣言の入力

『AR2E』では、自分のPCに行わせようとしている行動をGMに伝えること(宣言)が大切です。宣言をする場合、次のような情報を書き込むといいでしょう。
 タイミング(戦闘中はどのタイミングで何をしたのか分かるようにしておく)
 行為名(だいたいスキル名を書く)
 何が起きるのか(覚え書きや、他のプレイヤーに概要を伝えるために書く)
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このように必ず1行ずつ入力します。別の宣言を入力するときは改行します(見ての通りですね)。

判定の入力

判定の式をそのまま入力します。「3D6+5」のように書きます。ただ、それだけだと分かりにくいので「3D6+5 命中判定」のように書きます。5と命の間は半角スペースを入れます。ちなみに「命中判定 3D6+5」だと反応してくれません。必ず一番最初に式を入れるようにしてください。また「3D6」を「3d6」と書いても反応してくれます。
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セリフの入力

セリフや描写など、なんかそれっぽいのを入れておくと良いですね。別に入れなくても支障はありませんが。
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使うとき

入力が終わったら、編集を押すと、編集画面が閉じます。
使うときは、入力したい行をクリックすると、上方の枠に表示されます。そこで送信を押すと、チャット枠に入力した時と同じように全員のチャット枠に送信されます。判定式ならばダイスボットが起動して出目を計算してくれます。
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更に便利に使いこなそう

ここまで読んで試してみたあなたは、チャットパレットの最も重要な機能が使えるようになったはずです。楽しいセッションライフを!
チャットパレットにはタブ管理や保存機能、変数機能など便利な機能があります。色々いじってみるといいと思います。全部説明すると長く

【AR2E】ダンジョンの演出と物語の例

■魔獣が封じられた迷宮

▽比較的新しい時代のもの

 村を襲った魔獣は、ある冒険者の手によって封印され、洞窟の入り口は封鎖されていた。ところが、1週間前まで降り続いた大嵐のせいで洞窟の入り口が姿を現してしまい、封印されていた魔獣の幼体が大量発生し、村人に危害を加えだした。洞窟の中で魔獣は生きていたのである。
遺跡:自然
背景知識:《ヒストリー》、《ネイチャーノウリッジ》

▽古い時代のもの

 水の時代の魔獣が封印された地下洞窟は、とある狂信者の手によって封印が解かれてしまった。事態を重く見た神殿は、その洞窟に冒険者を派遣することを決定した。
 かつては地下洞窟のような自然の地形だった場所だが、長年魔獣が住み着いたことにより、その性質が変化し、漆黒のクリスタルとヘドロのような物質が迷宮を構築し、魔法の罠のようなものが行く手を阻むダンジョンと成り代わってしまった。
遺跡:水の時代
背景知識:《マジックノウリッジ》、《モンスターロア》

■神具を奉ずる廃神殿

 森の奥深くにあるエルダナーンの樹上国家、その中央の巨大な樹は火の時代のはじまりから生き続けている。その幹の中心に冒険者4~5人が入れるくらいの不可思議な空間がある。資格を持つ者が現れると、その空間から神界のとある場所に転送されるのだという。かつて風の時代に魔族を滅ぼしたという強力な神具が封じられており、神の試練をクリアした者にのみ神具が預けられるのだという。
 神具は重要なものなので、魔族に奪われては困る。魔族と渡り合うだけの戦力と、邪な誘惑に負けない精神力が試される。
 アリアンロッドのリプレイには「リドルの妖精」というキャラクターが登場する。「シカって10回言って!」「シカ、シカ、シカ、……」「クリスマスにサンタクロースが乗るのは?」「トナカイ!」「はずれ、ソリでした!」みたいなクイズを出して冒険者の(というかプレイヤーの)知性を試す。正解すると人を小馬鹿にしたような口調で「素晴らしい叡智です!」と言うのがお約束となっている。
遺跡:風の時代
背景知識:《ミュトスノウリッジ》、《ゴッドノウリッジ》

■邪神教団のアジト

 人里離れた森や山に、あるいは大都市の地下に奴らのアジトはある。構成員から場所を聞き出し、アジトに進入すると、そこでは構成員と侵入者を選別する死のセキュリティが待ちかまえている。アジト内の構成員は徹底的に冒険者たちを撃退しようとするだろう。
 邪神教団が犯罪組織だとか、汚い手口で金儲けを企む商人だとか、邪な貴族なんかと裏で繋がっているというのは、よくある話である。アジト内に配備されている物資や罠は、こうしたパトロンたちの影響を強く受けることだろう。密輸されたゴーレム兵器だとか、製造が禁止されている“人を妖魔にするポーション”だとか、別の貴族の家から盗まれた魔獣を召喚する魔術書だとか、そういったものが冒険者たちの脅威となる。
 たいてい、こうした“怪しいパトロン”について調べ回っているうちに、邪神教団にたどり着くわけだが、邪神教団としては、もちろん、パトロンから供給された物資を有効活用するのである。
 冒険者たちはこうしたパトロンの屋敷の地下牢に閉じこめられるかも知れない。地下牢を脱出しようとすると、邪神教団が実験によって生み出したキマイラに食い殺されるといった具合になっている。たとえキマイラをうまくやり過ごしたとしても落とし穴に落ちて再び牢獄に閉じこめられるのである。こうした完璧な罠をくぐり抜けた強者は、邪神教団の構成員によって直接手を下され、邪神復活の生け贄にされる栄誉に預かれるというわけだ。
 邪神教団についての設定は特にない。犯罪組織として“竜の顎”が設定されているが、殺戮主義以外に目立った特徴はない。彼らの信念は破壊的で狂気に満ちており、反社会的である事が望ましい。彼らの信奉する七柱の邪神を象徴する言葉が嫉妬、猜疑、恐怖、憎悪、傲慢、虚栄、欲望である。どれか1柱の邪神を決めておき、そのキーワードを軸に邪神教団の性格を特徴づけておくとよい。ちなみに『DSG』で追加されたセルノーグのキーワードは腐敗である。
遺跡:火の時代
背景知識:《ヒストリー》、《バルムンクノウリッジ》

■秘宝の眠る地下遺跡

 フィルボルの地図屋が言うには、裏山の坑道に、地の時代の廃都に通ずる道があるらしい。妖魔たちの植民都市で、妖魔王に囚われたネヴァーフたちが隷従していた武器工場の跡があるという。錬金術によるセキュリティが厳重で、冒険者でない普通の人は中に入れないらしい。当たれば一攫千金、外れれば無駄骨である。地図屋は自信あり気に太鼓判を押すのであった。
 クライマックス戦のボスとしてはゴーレムを配置するのが定番だが、変化球のパターンとしては、遺跡の宝を狙っている妖魔(実は地図屋は妖魔が変装していて、罠を突破させるために冒険者を泳がせていた)であったり、遺跡を出た後で無理矢理アイテムを徴収しようとするマティアスであったりするかも知れない。このネタは神具の眠る遺跡についても使える。
遺跡:地の時代
背景知識:《アルケミーノウリッジ》、《アイデンティファイ》

■飛空挺

 空から墜落した小都市のような遺跡のような、巨大な構造体は人々の関心を呼んだ。神殿はその調査のために冒険者を募ることにした。勇気ある冒険者が構造体に近づこうとすると、セキュリティが作動したという報告がある。別の報告によれば見たことのない生物が襲いかかってきたとも。
 この謎の構造体は万能帆船(『超上級』P93)かも知れない。運命クラスに到達する冒険者向けの導入にちょうどよい。単に地の時代の飛空挺かも知れない。これにより冒険の舞台がいっきに広がりを見せるだろう。あるいは他の惑星から飛来した宇宙船かも知れない。もしそうだとすればキャンペーンは怒濤の展開を迎えることになるだろう。
遺跡:???
背景知識:《アルケミーノウリッジ》、《マジックノウリッジ》、《ミュトスノウリッジ》

■危険な自然

 迷子の坊やはどうやら森へ向かったらしい。獰猛な野生生物が多く、大人でも1人で入っていくことはない。そんな場所に子ども1人で向かったとしたら危険だ。腹を空かせた巨大熊や食人植物を相手にしながら、坊やの足取りを追っていかなければならない。
遺跡:自然
背景知識:《ネイチャーノウリッジ》

■妖魔の拠点

 妖魔退治はもはや定番のネタであるが、ダンジョンシナリオともなれば、砦、塔、地下神殿、館、滅ぼした村などがモチーフになる。砦や塔は軍事色の強い描写になるだろうし、地下神殿なら宗教色の強い描写に、館や村は生活色の強い描写になるだろう。

▽軍事拠点

 軍事色の強い描写は、人類v.s.妖魔の対立をテーマにしたようなシナリオに相応しい。いかに妖魔が凶悪で、それに立ち向かう冒険者は英雄であるかが強調される。冒険者は人類の代表として戦いに赴く。もしかするとPCの設定は冒険者ではなく、傭兵であったほうがいいかもしれない。ともかくボスは強大で、狡猾な罠よりは問答無用で数多の矢が飛んでくるようなダイナミックな罠が主流で、敵の数も多い方がそれらしい。
遺跡:火の時代、地の時代
背景知識:《ヒストリー》、《アルケミーノウリッジ》、《イービルノウリッジ》

▽宗教拠点

 宗教色の強い描写は、邪神の呪い(小麦の不作、村人が豚になる、王女がカエルになる、夜があけないなど)や、邪神あるいは上位魔族の復活に関するシナリオに相応しい。シナリオ冒頭では、謎、怪しいもの、不確かなものを振りまいておき、ダンジョンの攻略とともに徐々にその謎が解明されてゆくように設定しておく。元凶となる妖魔を倒すだけではダメで、呪詛の解除方法を見つけ出し、解除をしなければシナリオクリアにならない。このため、冒険者たちは積極的に部屋の探索を行なわなければならない。つまり、トラップに引っかかる可能性が増すというわけだ。
遺跡:火の時代、風の時代、水の時代
背景知識:《マジックノウリッジ》、《ミュトスノウリッジ》、《イービルノウリッジ》

▽生活拠点

 生活色の強い描写は、妖魔の姿をコミカルに描き出すことが可能だ。奴隷にされた村人を救い出す、妖魔の圧政から村を救い出すといった重たいテーマのシナリオにも対応している。軍事描写と違い、「人類」という大きなものを背負ってはいないが、具体的に誰かを救ったり、何かを取り戻したりするような、地に足の着いた英雄的なシナリオに向いている。館、村、洞穴を改造して作られたねぐらなどが生活色の強い描写の代表例である。
遺跡:火の時代
背景知識:さまざま

▽非妖魔への応用

 妖魔の拠点の発想は、非妖魔種族にも応用できる。その代表格がギルマンだろう。ギルマンは知性があり、社会を築いており、人間と対立しているという点で妖魔と似た性質を持っている。彼らは島や海辺の洞窟などに拠点を築いている。中には錬金術で制御された軍事拠点をもっているようなギルマンの一味もいる。
 人間のアジトも似たようなものなので応用可能だろう。敵国なら軍事拠点、邪教団なら宗教拠点、山賊なら生活拠点が当てはまりそうだ。
遺跡:さまざま
背景知識:《アニマルノウリッジ》、《バルムンクノウリッジ》

■幻想的なシチュエーション

▽巨大な世界

 シロの花が咲く頃に、霧のかかった川辺に近づいてはいけない。そんな言い伝えを無視する理由が冒険者たちにはあった。霧のかかった川辺に咲くシロの花は薬の原材料になるからだ。これを届けなければ王妃の命はない。
 スイレンの見事な桟橋の景色を臨むと、周囲のスイレンが巨大になってゆくのが見て取れた。いや、スイレンだけでなく、石ころや桟橋も巨大になってゆく。違う、そうではない。冒険者たちが、魔女の呪いとやらで、小さくなってしまったのだ。川辺の湿原のようなスイレンの“森”に住む巨大な昆虫たちは冒険者たちをエサか何かだと勘違いして待ちかまえている。昆虫を撃退して先へ進むと、冒険者たちは巨大な少女の姿を見る。「ねえ、お兄ちゃんたち、私と遊ぼうよ」。魔女の正体は川遊びで命を落とした少女の亡霊だった。
遺跡:自然
背景知識:《ミュトスノウリッジ》

▽湖底ダンジョン

 ドーマの魔術書を読み上げると湖に空気のトンネルが出現した。湖の底に、文字通り、歩いて進むことができそうだ。湖の魚たちがキラキラと舞い、まるでアクアリウムの世界のようだ。
ところが湖の獰猛な魔獣は黙っていなかった。湖底に至ると、奴らは集団で襲い、空気のトンネルから冒険者たちを引きはがそうとする。
遺跡:自然
背景知識:《マジックノウリッジ》

▽本の世界

 中で何が起きるか分かりません。私は外で結界を張ります。2時間してあなたたちが戻らなければこの部屋を完全に封印します。
王立図書館、開かずの第13閉架書庫に立ち入ることを許された冒険者たちを見送る司書が不安そうに告げた。冒険者たちが中に入ると、まるでセンサー感知したかのように燭台の火が灯る。狭く薄暗い部屋には本棚が並んでいるが、不思議と一切ほこりがたまっていなかった。
メイジの制止を振り切って、シーフの少年は我慢できずに本を開く。冒険者たちは一瞬目が眩んだかと思うと、目の前には長身の男が立っていた。皆が驚いたのは彼が伝承にある英雄王の姿と一致していたからだ。
英雄王についていくと、戦場の光景が広がる。書庫の中を歩いているのに、かなり長い距離を歩いているかのように錯覚してしまう。戦場から妖魔が飛び出してきた。紛うことなく実体のある妖魔だ。周囲には確かに本棚が並んでいるのだが、まるで戦場のような感覚だ。妖魔を撃退すると、再び英雄王が現れ、冒険者たちを奥へと誘う。
遺跡:火の時代
背景知識:《ヒストリー》

アルディオンのキャンペーン

身内のセッションでアルディオン大陸を舞台にしたキャンペーンをやっているんですが、いよいよシナリオを書かないといけない状況になってきました、という話。


事のはじまりは『AR2E』は初めてというTRPGの猛者たちを相手にしたキャンペーンのGMを頼まれたことです。紆余曲折あってレギュレーションを「アルディオン大陸」に設定してしまい、戦乱の大地でプレイすることになりました。『アルディオンレボリューションガイド』を使います。
PL人数が3人しか集まらなかったため(前日知らされた)、用意していたシナリオを諦め、旧版の『アルディオントラベルガイド』に掲載されていた2本のシナリオをコンバートして何とか切り抜けたのですが、今度新たにシナリオを作らないといけない運びとなりました。……さてどうしたものか。

レギュレーション

『R1』『R2』『上級』『ARG』の4冊。CL1からスタートで、今度CL3になる。
『ベルリールの鉄巨人』掲載のレジェンドデータを持ってもらっている。
旧版シナリオの最後に剛健の竜輝石を手に入れている。効果は不明。

PCの設定とPLの意向

PC1 メイジ/ニンジャ/エクスマキナ【竜輝石のエクスマキナ
PC2 アコライト/フォーキャスター/ヒューリン【”崩都”ベルリール】
PC3 ウォーリア/ファランクス/ドゥアン(翼)【ドゥヴモア戦士団】

PC1は影の組織の者(王蛇会あたり)で、グラスウェルズのため、アンリを暗殺しようという目標を持っている。PC2は軍師として名を成すことを夢見ている。PC3は生き別れの友達がいる。
各エピソードで一人ずつ、レジェンドデータのような、何か強くなれるような報酬があるとよい、という話になった。誰に何を渡すかは未定。

キャンペーンの展開

PC3の【ドゥヴモア戦士団】の設定を鑑みて、ゴルフォード王国を舞台とする。アンリ率いる神聖アンリ帝国と対立している国でもあるので、PC1の設定とも絡めやすい。錬金騎士団や傭兵団あたりを出しておけばPC2の設定とも概ね絡められる。
錬金騎士団と傭兵団を登場させ、どちらに所属するかを選択させるようなシナリオにすると戦記物っぽさを感じつつ、自分たちで物語を創っている感覚が持てるのではなかろうか。

竜輝石の設定

考えていない。

とりあえず1話をどうするか

帰ろうとしたとき、妖魔の軍勢に襲われる。500体ぐらい→FS判定で逃げる。
FS判定に成功すると傭兵団に助けられる。狼の牙のノルベルトあたり。
野営をしながら傭兵団と会話する場面。色んな情報が聞ける。ロールプレイ場面でもある。
ゴルフォード側から迂回するルートをすすめられる。
ゴルフォードに着くと、街にたどり着く。街で錬金騎士団に見つかる。
オルグに丁重に扱われる。そして依頼として砦へのお遣いを頼まれる。
ドゥヴモア四兄弟の二男のいる砦。《アースルーン》を得る。
二男を拉致しようとする神聖アンリ帝国の暗殺者がやって来る(戦闘)。
アンリ帝国の仕業だと分かるイベント→ゲオルグと会話し、打倒アンリの思いを共有する。
潜入者の拠点を探し出し、打倒して欲しいという依頼が発生。
拠点つぶしの際に陽動役としてかり出されるのが狼の牙であり、再会を果たす。
狼の牙のメンバーの一人に、アンリに家族を奪われたという設定持ちがいると良いかも。
エンディングフェイズで、PCの進退について決定する。

情報格差を利用した合流シーンのロールプレイ

トーキョーN◎VA』なんかはロールプレイ重視のゲームだと思っているんですが、特にリサーチフェイズは何もロールプレイしないと味気ないセッションになってしまいます*1
かっこいい洋画を見まくっている人なんかだと、気の利いたセリフが言えたり、かっこいい演出ができたりするんですけど、私みたいな凡人は、そんな上手くいかないので、システマチックな役割的プレイについて考察したいと思います。

情報の整理

 トレーラー(今回予告)やハンドアウトからシナリオに登場するNPCや鍵となるアイテムの名前が判明するはずです。こられの情報を紙*2の上半分に書いておきます。
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 一方で紙の下半分には自分のハンドアウトに書かれている情報から判明する情報のみを書いておきます。
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 このように上側は「プレイヤーが知っている情報」、下側は「キャラクターが知っている情報」を整理しておく場所にします。
 セッション中は、自分が登場していないシーンで判明した情報は上段に記入し、自分が登場しているシーンで判明した情報は下段に記入するようにします。

合流シーン

 個別に動いていたPCどうしが合流するシーンでは、下段の関係図を上段の関係図に近づけるためにはキャラクターどうしが何を喋ればいいのかを考えながらロールプレイします。上の例では、PC(3)がPC(4)と合流する場合、「ミスター・ブラック」というキーワードで二人が繋がっていることはPL情報として知っているので、「ミスター・ブラック」という言葉を使って会話文を作文すればいいわけです。

ルーラー:レッガーの抗争を避けてバーはいつもより繁盛していた。どうやら相席じゃないと座れない感じだね。
カタナ「ちょいと、そこの席に座ってもいいかい?」
トーキー「ああ勿論さ! アンタみたいな別嬪さんなら大歓迎さ。」
カタナ「冗談はよしてくれ。」と言ってポーチから煙草を出します。
トーキー「おっと、僕が火を点けるよ。」と言って上着の胸ポケットからライターを出そうとするのですが、その弾みで、ミスター・ブラックに関する調査資料が机の上に出てしまいます。
カタナ「ん?」
トーキー「ああ、いやいや。失敬!」
カタナ(小声で)「アンタ、ミスター・ブラックについて調べているのかい?」
トーキー(シリアス声で)「へえ、何か知っているんだ。」
カタナ「そいつについては私も調査中ってとこだね。」

とまあ、こんな具合で、会話や演出の中に「ミスター・ブラック」というキーワードを潜り込ませる機会を窺いながら会話を進めていきます。もっとスピーディにやろうとすると「アンタ、トーキーだね。ミスター・ブラックについて知っているかい?」「お前も調べていたのか! 俺もちょうど調べていたところだ。」といった感じになります。

演出のせめぎ合い

合流シーンの展開においては、雰囲気を味わいたい勢早いとこ合流しておきたい勢との間でちょっとしたせめぎ合いが起きます。後者は、前者がPC視点のロールプレイにのめり込んでしまい、セッションが停滞したりグダグダになったりすることを警戒しています。なので、ぶっつけ本番のアドリブ劇をするよりも、事前にどんな感じでシーンを着地させるかについて卓内で話し合っておくと変な空気になりにくいです(特にお互いの出方が読めないとき)。

カタナ:ここらでPC(4)と合流しておきたいんですが。
トーキー:じゃあ登場しましょう。
ルーラー:どんな感じのシーンにします?
カタナ:行き付けのバーとか、そんな感じで。ミスター・ブラックの事でアドレス交換したい。
トーキー:じゃあ二人がけの席とかで。二言三言、言葉を交わしたら、俺がミスター・ブラックの資料をぶち撒けるんで、拾っていただければ。
カタナ:じゃあ、そんな感じで。

*1:宣言だけでゲームは進行しますが、「何か言った方がいいなぁ」っていう雰囲気になります

*2:レコードシートの裏などを利用する。

AR2E初心者向けキャラメイク解説

※2018年1月、内容を修正
こちらも参照!

キャラメイクについて

アリアンロッド2E』はリソース管理がテーマです*1。HPやMPは勿論ですが、資金の配分やスキル枠の配分もかなり重要な問題となります。メインクラス毎に管理すべきデータや配慮すべきルールが少しだけ違います*2が、基本的にはどのクラスを選んでもやる事はあまり変わらないのが特徴です*3

クラスと種族

キャラメイクにおいては、まずクラスと種族の選択が大事です。種族は能力値に影響を及ぼすので、クラスと種族が噛み合っていないと十分に活躍できるキャラクターが作れません*4
特に命中が低いとまずいので、武器攻撃をするクラス(ウォーリア、シーフ、一部のアコライト)なら【器用】を、魔法攻撃をするクラス(メイジ、一部のアコライト)なら【知力】を高めにする必要があります。具体的にはクラス修正を含めて5以上は欲しいところです*5。もし種族の選択で迷ったらヒューリンにしておきます。取りたい種族スキルは《ハーフブラッド》で取ればいいのです。

スキルの選択

スキルはその立ち位置によって役割が違います。ちょっと整理したいと思います。スキルを選ぶ際は、原則として1つのタイミングのスキルは1つまでしか取らないようにします。例えば「タイミング:メジャーアクション」のスキルは1つまでしか取らないようにします。ただし「パッシブ」「アイテム」「効果参照」は別です*6
それからキャラメイク的に特別な意味をもつスキルについて整理します*7

マスタリー系スキル 《アームズマスタリー》《コンセントレイション》
神業系スキル 《ボルテクスアタック》《アフェクション》《リゼントメント》《インタラプト》
シナリオスキル 《ファイトソング》《アニマルパクト》《ソウルバスター》など
シーンスキル 《スラッシュブロウ》《マジックフォージ》《クイックヒール》《トルネードブラスト》など

初期作成のキャラクターは以下の要件を満たすことが望ましいです。

  • マスタリー系スキルを1つ取得する。
  • 必殺技スキル(神業、シナリオ、シーンスキル)を2つ以上取得しない。

実際問題として、マスタリー系スキルはとても強力です。命中判定の達成値に+3.5され、ファンブル率が2.8%→0.5%になります。コストもかかりません。
また必殺技スキルは一撃の能力は魅力的ですが、継戦能力*8を考えると他のパッシブスキルを取った方が良いように思われます。
また、神業系スキルは初期作成ではあまり必要ありません。CL2~4までの間に取得すればいいのではないかと思います*9

確認すべきルール

スキルの違いについては見れば分かると思うので、ここでは意外と見落とされがちなルールによるメインクラス毎の違いについて触れておきます。該当するページに付箋でも貼っておくとよいと思います。なお括弧内の数字は『R1改訂版』のページ数を表しています。

クラス 特徴 参照すべきルール等
ウォーリア 筋力が高い。防御力の高い防具が装備できる。 跳躍と登攀(286)、カバー(268)
アコライト 精神が高い。 交渉(287)
メイジ 知力が高い。 エネミー識別(285)、アイテム鑑定(288)
シーフ 感知が高い。 トラップ探知と危険感知(282、283、356、368)

サポートクラス

サポートクラスについても基本事項をまとめておきます。「上級者向け」と書いているクラスは、「弱いクラス」の言い換えだと思ってもらって差し支えありません。恐らくCL1の段階では、あまり本領は発揮できないと思います。

ウォーリア サポートクラスとしてのウォーリアはメイジ以外のメインクラスと相性がよく、特に強力な防具で身を固めているアコライトが《カバーリング》や《カバームーブ》を取得することで、パーティが生き残る可能性を高めることができる。
アコライト サポートクラスとしてのアコライトは全てのメインクラスと相性がよく、ウォーリアやシーフには「打撃」武器による攻撃スキルを、メイジには《ホーリーライト》や《アンデッドベイン》のような攻撃魔法スキルを提供する。
メイジ サポートクラスとしてのメイジは特にアコライトとの相性はいい。《ヒール》を含むアコライトの補助魔法を《マジックブラスト》で拡大したり、《コンセントレイション》によってアコライトの攻撃魔法を当たりやすくしたりできる。また《フライト》や《フィジカルエンチャント》等の補助魔法スキルも強力だ。
シーフ サポートクラスとしてのシーフは、特にウォーリアとの相性がよく、強力な武器や防具を備えたウォーリアが《ランナップ》で先行移動をしたり、《ワイドアタック》で範囲攻撃をしたりできる。
アルケミスト 上級者向け。初心者が手を出すなら、ネヴァーフの《マスターハンド》を取得してウォーリアかシーフと組み合わせて銃士タイプをプレイするのがオススメ。
ガンスリンガー シーフ向け。遠近型。《キャリバー》と《アームズマスタリー:魔導銃》は必須です。武器にお金をかけなくていいので、他に所持金が回せます。
サムライ メイジ以外。《スピリット・オブ・サムライ》で武器を取れば防具にお金がかけられるので、《アームズマスタリー:刀》《トゥルーアイ》と共に、味方を護るウォーリアに向く。刀を使わなくてもいいスキルもあるので、他の装備を使うサムライもアリ。
モナー メイジ向け。ファミリアで判定固定値が上がるのが意外と便利。ダメージはやや低めだが、常時範囲攻撃の《サモン・~~》系のスキルや、攻撃範囲を「場面(選択)」にする《アニマルパクト》は強力。《ファミリアアタック》は上級者向け。
セージ メイジ・アコライト向け。《エンサイクロペディア》と《コンコーダンス》を取得すればパーティの役に立つこと間違いなし。知力系の便利屋。魔術操作系スキルは玄人向け。アコライトなら《エフィシエント》と組み合わせて《ヒール》や《プロテクション》の効果量を増やせるのが良い。メイジもダメージ強化ができる《エフィシエント》や命中やエネミー識別の成功率を上げる《ハイウィズダム》はオススメだが、味方が護ってくれる状況ならば火力を強化する《ブラッドスペル》はかなり強力だ。
ダンサー 上級者向け。器用や感知に修正がないので意外と探索型シーフに向かない(回避型シーフならいい)。意外とウォーリアとも相性がいい。
ニンジャ 上級者向け。アコ以外。敵陣突破能力の高さはもっと注目されていいと思う。
バード アコライト向け。支援特化のアコライトなら《ジョイフルジョイフル》を取得したい。
モンク メイジ以外。「殴りアコ」の定番といえばモンク(アコライトは【精神】が高いので《アイアンフィスト》と相性がいい)。また「格闘」の武器は価格が安く、余ったお金で強力な防具を揃えられるというのも魅力だ。
レンジャー メイジ以外。《アームズマスタリー:弓》が取得できる。射撃戦特化のスキルがほとんどだが、白兵キャラにも有効なスキルが幾つかある。

『パーフェクトスキルガイド』で追加されている基本クラスについても言及しておきます。

イリュージョニスト 上級者向け。幻術が効かないエネミーもいるので注意が必要。
バーサーカー ウォーリア向け。ダメージがでかい。鎧と味方の支援(特にアコライトの《プロテクション》と《ヒール》)は頼りになるか確認しよう。

消耗品アイテム

アリアンロッド2E』の標準的なシナリオは、だいたい戦闘3回程度が想定されています。1回の戦闘は2~3ラウンドぐらいになるように設計されているものが多いでしょう。そうすると1戦闘3ラウンドだとして9ラウンドほど*10、スキルを使わされることを考えなければなりません*11

【消費MP】(セットアップ+ムーブ+マイナー+メジャー)×9
【可能MP】最大MP+《祝福》による回復+MPポーション

メイジのPCが《マジックブラスト》+《※精霊魔術》を使うとして10点。合計して90点消費させられます。初期MPが30点をちょっと超えたぐらいです。CL1だと《祝福》を使わない事を前提に考えるので、MPが枯渇する計算になります。基本的にCL1のシナリオを作るときは、戦闘ラウンド数が少ないように設計したり、ダンジョンにMPポーションを配置したりします。レベルが上がってくるとその辺のマネジメントはもっと楽になっていきます。
MPポーションはメイジなら4~5つ持っておくと安心です。つまりそれだけでMPが30点分は回復できるぐらいですね。CL1でキャラメイクをする場合、特にメイジやアコライトは一般スキルの《マジカルハーブ》を取得することを視野に入れます。

ポーション類ではありませんが、トラップ解除を担当するPCは「小型ハンマー」と「小道具入れ」を購入しておき、「くさび」を何本か小道具入れに入れておくとよいです。計算が面倒ですが、非常に低価格でトラップ解除の判定に+1できるので優秀です。

*1:中世ファンタジー世界における人間と邪神の勢力との闘争とか、そういう物語的なテーマじゃなくてゲームとしてのテーマのことです。

*2:メインクラスによって、キャラクターの性能の方向性が決定づけられるシステムになっています。もちろん、サポートクラス等の組み合わせによっては、「原則」と違ったプレイングが可能ですが、この記事は初心者向けの記事ということで、そういった例外については無視して説明します。分かりやすさのために厳密性を犠牲にした記事だということをご了承下さい。

*3:アコライトだけちょっと特殊です。

*4:能力なんて関係なく好きな種族を選べばいいという考え方もありますが、『AR2E』は残念ながらそういう遊び方に適したシステムではないのです。勿論、好きな種族~~という考え方は間違ってはいません。まぁ、その辺は卓の雰囲気との兼ね合いなんじゃないでしょうか。

*5:ボーナスポイント(『R1改訂版』P64)は【器用】あるいは【知力】に重点的に割り振るべきということです。

*6:タイミングが被ると、そのスキルは「使っていない」スキルとなり、無駄になるからです。『アリアンロッド2E』では「状況に合わせてスキルを使い分ける」ような状況はほとんどありません。得意なことをはっきりさせ、得意分野に特化させた方が強いキャラができます。

*7:命中判定に+1Dするようなスキルをマスタリー系スキルと呼びます。各メインクラスしか使えないシナリオ1回のスキルを神業系スキルと呼びます。シナリオn回の有用なスキルをシナリオスキル、シーン1回の有用なスキルをシーンスキルと呼びます。つまり神業系スキルはシナリオスキルに含まれます。またシナリオスキルとシーンスキルを合わせて必殺技スキルと呼ぶことにします。

*8:複数回戦闘をしたり、幾ラウンドにも渡って戦闘を継続したりする能力。

*9:ただし《インタラプト》は比較的早いほうがよいように思われます

*10:2ラウンドで決着がつく場合も多いかと思いますが、少し多めに見積もっています

*11:この時点でスキル構成を見直すこともあります。あまりにも消費量が多いと辛いですから。

自己紹介

はじめまして。

lib14と申します。
TRPG歴は5~6年ぐらいでしょうか。
りゅうたまポータルなんてものを運営しています。本当はアリアンロッドの方が数的にはやっているんですが、りゅうたまもやっています。ファンタジー好きかと言われれば、別にそういうワケでもなく、雑食です。強いて言えばミリタリーが苦手ジャンルでしょうか。別に嫌いじゃありませんが。


TRPGプレイヤーはシミュレーションプレイヤーロールプレイヤーに分けられるそうですが、私はロールプレイヤーだと言われました。相対的に見ればそうなのかも知れません。ルーリングは比較的きっちりしている方だと自負しておりますが、もしかしたら知らないところでストリクトな方の胃をキリキリさせているかも知れません。